テスト勉強しないと
あらあら、晴樹どうなる?
四話で~す
ここは……?
僕は暗闇の中にいて、奥に小さな光があった。そこに向かうと公園だった。
「はるき君遊ぼっ」
一人の女子が僕に話しかけてきた。中学生ぐらいの子だ。
「うん」
とそう僕は言って彼女の後に付いていく。しばらく遊んでいると、
「ちょっと、晴樹は私と遊ぶの!」
もう一人の女子が僕の後ろにいてこう叫んだ。そしてその子が僕の腕を引っ張る。そして“はるき君”と呼んだ彼女も遅れて僕のもう一方の腕を持つ。
「駄目っ、はるき君は私と遊ぶの!」
「離しなさい! はるきは私とよ!」
「そっちこそ離してっ!」
「そっちこそ離すのよーっ!」
僕はぎゅーぎゅーと二人に引っ張られた。
苦しい、苦しいよ~っっ。
「……き、はるきっ」
「え?」
「早く起きなさい!」
僕は寝ぼけながら、ぼやけている相手を見る。え? まい……ちゃ……、
「早く起きてって言ってるの! 遅刻するわよ!」
……なんだ、愛衣か。僕は頭を掻きながら、起き上がる。彼女は既に制服姿だった。
「どうした?」
「大丈夫? 唸れてたわよ」
「ん~?」
何の夢見てたっけ?
「それより早く、遅刻するわよっ」
時間を見るともう8:00前だった。急いでご飯を食べ、部屋に戻り教科書を鞄に入れる。
「ほらほらー、早く早くっ!」
うっさいなーっ。そして僕は少し考えてニヤリと笑う。おもむろにパジャマを脱ぎ始めた。
『ちょっ、馬鹿っ!』
と恥ずかしがって言うと思ったが、し~んとしていた。え? と思い愛衣の方を見ると、少し照れて顔の向きを逸らしただけだった。
(ちっ)
そして僕は不服に思いながら淡々と着替えて準備を終えた。
「じゃあ、行くぞ」
「! えぇ」
そして僕は彼女と一緒に登校する。
「ところでさーっ」
「何?」
「なんで起こしに来てたんだ? いつもあんまりそんなことしないのに」
「それは~……」
彼女はそれ以上言わない。見ると少しよそ見をして自転車をこぐ。
「……幼馴染みだからよっ」
「? よく分からん」
「分からなければもう良いわ! 私の気分次第!」
そう言って僕より少しとばして自転車をこいでいった。
(? 一体何だろうか?)
「はーい、ノート集めてーっ」
国語の上島先生が言う。
「うーん、休み時間だーっ」
「宮田、ちょっと行こうぜ」
「おう」
そして10分間廊下をうろうろしながら岩田と話す。
「え? 告白!?」
「ば、馬鹿。声がでけーよっ」
「だ、誰に!?」
「まだ告白するかは分からないが……」
「だから誰に!?」
「部活の先輩……」
「ほう、そうなのか」
あの岩田がなー。僕はしみじみと友の気持ちを応援した。
「そう言えばお前どうしてる?」
「何が?」
「何ってお前~、期末考査」
はっ、そんなのあったな!
「あれ、いつからだっけ?」
「来週の月曜からだろ?」
あぁ、そう言えばそんなのあったな。
「ま、まぁまだ数日あるし」
「まあそれもそうだな。気楽にいくか」
「そうだよ、あははーっ」
と笑ったが、内心は少し不安になっていた。部活終わり“まい”といつものようにDMをする。
『あ~、テストかー』
『そうなんだよー。どうしよう』
『苦手なの?』
『そうなんだよ、苦手というか好きじゃないな』
『まぁ、学生の間はテストをするのが当たり前だからね』
『そうだなー』
『私もテスト近いの』
『ほう、そうなのか』
『高校なら大体日にちはどこでも似てるんじゃない? いつから始まるの?』
『来週の月曜日』
『私は来週の水曜からね』
微妙に違うんだな。
『勉強いやだなー』
『大変だもんねww』
『それ』
僕達はそうテストの話で盛り上がっていると、彼女から思いがけない提案が来る。
『勉強見てあげよっか?』
え?
『ど、どうやって?』
『この土曜日に市の図書館でさ』
良いの??
『本当に?』
『うんw』
僕は嬉しさのあまり急いで送り返す。
『ok!』
やったーっと思いうきうきして家に帰る。そして部屋で一人テンション上がって、色々な彼女との妄想を繰り返す。
『あっ、シャーペンを落とした』
『大丈夫かい? まいちゃん』
『はるき君っ』
彼女はドキッとする。
(やだっ。何てかっこいいの?)
と彼女は思う。
『僕が取ってあげるさ』
『ありがとう……』
『はい、どうぞ』
『はるき君……』
『まいちゃん……』
そして図書館でとても甘い空気になる。(終)
いやー、参ったねーと思いでへへ~っとなっていると、スマホのカレンダーを見る。
(土曜日かーっ)
土曜日、土曜日っ♪ 土曜日、土曜日……。土曜……び。
「あーーーーーーーーーー!!!!!!」
僕は思いっきり叫んだ。
「どうしたの晴樹!?」
「あっ、いやごめん。大丈夫……」
しまったーっ。愛衣との約束を忘れてたーーっ。……仕方ない。かくなる上は……、
そして翌日。
「ごめん愛衣! 勉強すること忘れてたから土曜日遊べないっ」
「……」
登校中に彼女に言ったら、顔は真顔になった。
(許してくれるかな?)
「だからまたテストが終わってからで……」
「……」
返事がない。怒ったか? しばらく無言が続く。
(うーん、一体どうしたら……)
「あのさ、晴樹……」
「ん? 何?」
「それなら私と一緒にテス勉しない?」
なぬ?
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