表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/15

テスト勉強しないと

あらあら、晴樹どうなる?


四話で~す

 ここは……?

 僕は暗闇の中にいて、奥に小さな光があった。そこに向かうと公園だった。


「はるき君遊ぼっ」


 一人の女子が僕に話しかけてきた。中学生ぐらいの子だ。


「うん」


 とそう僕は言って彼女の後に付いていく。しばらく遊んでいると、


「ちょっと、晴樹は私と遊ぶの!」


 もう一人の女子が僕の後ろにいてこう叫んだ。そしてその子が僕の腕を引っ張る。そして“はるき君”と呼んだ彼女も遅れて僕のもう一方の腕を持つ。


「駄目っ、はるき君は私と遊ぶの!」

「離しなさい! はるきは私とよ!」

「そっちこそ離してっ!」

「そっちこそ離すのよーっ!」


 僕はぎゅーぎゅーと二人に引っ張られた。

 苦しい、苦しいよ~っっ。


「……き、はるきっ」

「え?」

「早く起きなさい!」


 僕は寝ぼけながら、ぼやけている相手を見る。え? まい……ちゃ……、


「早く起きてって言ってるの! 遅刻するわよ!」


 ……なんだ、愛衣か。僕は頭を掻きながら、起き上がる。彼女は既に制服姿だった。


「どうした?」

「大丈夫? 唸れてたわよ」

「ん~?」


 何の夢見てたっけ?


「それより早く、遅刻するわよっ」


 時間を見るともう8:00前だった。急いでご飯を食べ、部屋に戻り教科書を鞄に入れる。


「ほらほらー、早く早くっ!」


 うっさいなーっ。そして僕は少し考えてニヤリと笑う。おもむろにパジャマを脱ぎ始めた。


『ちょっ、馬鹿っ!』


 と恥ずかしがって言うと思ったが、し~んとしていた。え? と思い愛衣の方を見ると、少し照れて顔の向きを逸らしただけだった。

(ちっ)

 そして僕は不服に思いながら淡々と着替えて準備を終えた。


「じゃあ、行くぞ」

「! えぇ」


 そして僕は彼女と一緒に登校する。


「ところでさーっ」

「何?」

「なんで起こしに来てたんだ? いつもあんまりそんなことしないのに」

「それは~……」


 彼女はそれ以上言わない。見ると少しよそ見をして自転車をこぐ。


「……幼馴染みだからよっ」

「? よく分からん」

「分からなければもう良いわ! 私の気分次第!」


 そう言って僕より少しとばして自転車をこいでいった。

(? 一体何だろうか?)


「はーい、ノート集めてーっ」


 国語の上島先生が言う。


「うーん、休み時間だーっ」

「宮田、ちょっと行こうぜ」

「おう」


 そして10分間廊下をうろうろしながら岩田と話す。


「え? 告白!?」

「ば、馬鹿。声がでけーよっ」

「だ、誰に!?」

「まだ告白するかは分からないが……」

「だから誰に!?」

「部活の先輩……」

「ほう、そうなのか」


 あの岩田がなー。僕はしみじみと友の気持ちを応援した。


「そう言えばお前どうしてる?」

「何が?」

「何ってお前~、期末考査」


 はっ、そんなのあったな!


「あれ、いつからだっけ?」

「来週の月曜からだろ?」


 あぁ、そう言えばそんなのあったな。


「ま、まぁまだ数日あるし」

「まあそれもそうだな。気楽にいくか」

「そうだよ、あははーっ」


 と笑ったが、内心は少し不安になっていた。部活終わり“まい”といつものようにDMをする。


『あ~、テストかー』

『そうなんだよー。どうしよう』

『苦手なの?』

『そうなんだよ、苦手というか好きじゃないな』

『まぁ、学生の間はテストをするのが当たり前だからね』

『そうだなー』

『私もテスト近いの』

『ほう、そうなのか』

『高校なら大体日にちはどこでも似てるんじゃない? いつから始まるの?』

『来週の月曜日』

『私は来週の水曜からね』


 微妙に違うんだな。


『勉強いやだなー』

『大変だもんねww』

『それ』


 僕達はそうテストの話で盛り上がっていると、彼女から思いがけない提案が来る。


『勉強見てあげよっか?』


 え?


『ど、どうやって?』

『この土曜日に市の図書館でさ』


 良いの??


『本当に?』

『うんw』


 僕は嬉しさのあまり急いで送り返す。


『ok!』


 やったーっと思いうきうきして家に帰る。そして部屋で一人テンション上がって、色々な彼女との妄想を繰り返す。


『あっ、シャーペンを落とした』

『大丈夫かい? まいちゃん』

『はるき君っ』


 彼女はドキッとする。

(やだっ。何てかっこいいの?)

 と彼女は思う。


『僕が取ってあげるさ』

『ありがとう……』

『はい、どうぞ』

『はるき君……』

『まいちゃん……』


 そして図書館でとても甘い空気になる。(終)

 いやー、参ったねーと思いでへへ~っとなっていると、スマホのカレンダーを見る。

(土曜日かーっ)

 土曜日、土曜日っ♪ 土曜日、土曜日……。土曜……び。


「あーーーーーーーーーー!!!!!!」


 僕は思いっきり叫んだ。


「どうしたの晴樹!?」

「あっ、いやごめん。大丈夫……」


 しまったーっ。愛衣との約束を忘れてたーーっ。……仕方ない。かくなる上は……、

 そして翌日。


「ごめん愛衣! 勉強すること忘れてたから土曜日遊べないっ」

「……」


 登校中に彼女に言ったら、顔は真顔になった。

(許してくれるかな?)


「だからまたテストが終わってからで……」

「……」


 返事がない。怒ったか? しばらく無言が続く。

(うーん、一体どうしたら……)


「あのさ、晴樹……」

「ん? 何?」

「それなら私と一緒にテス勉しない?」


 なぬ?

最後まで読んで頂きありがとうございます。

ブックマーク、評価頂き励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] あっ!これまた主人公が愚図男になりそう。。。 [一言] 頑張って面白い話を書いてください(ニヤリ)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ