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兄妹編 第一話

久しぶりでーす

朝起きた俺は、いつもご飯を用意する。

二人分。妹と、俺の分だ。


今の俺は、妹との二人暮らし。

一人暮らしでないのが笑えてくる。


「ん…よし!できた!写真を撮って…あげてっと…よし、朝ごはん報告終わり!」


いつも作ったご飯の写真を撮り、動画投稿者としてのSNSにあげるのが日課だ。


『もう一人のは誰の分?』


という質問には、妹の分、と正直に答えている。



今日のご飯は、味噌汁にご飯。

今日の、とは言ってもほとんどがこれである。


そして、この後…


「起きておいで!そらー」


大声で声を張り上げる。

いつも通り、空は寝坊する。

それを起こすのが、俺の役目である。


しかし俺は知っている。

空は、読んだだけじゃ起きてこないのだ。

現に、反応がない。


いつものことだと割り切り、木で作られた階段をゆっくりと登る。

そしてふすまを開け、少し怒った声で呼びかける。


「いい加減起きて。学校遅れるよ!」

「…ムー」

「…はあ。もういいや、諦めよ。」


そうして下に降りようと踵を返すと…


「…お兄ちゃん…起こしてよお…」


鈴のなるような声(主観)。

可愛すぎる。

ギュッとしたい。


「…はっ!危ない、誘惑に負けるところだった…」


ふとんに入って抱きつきかけたところを自制し、肩を揺らす。


「…起きてよお…」

「…」

「なんでもする、しますから。」


「んじゃ。キス、して。」


寝ぼけたかのように言われたその声に、俺は………


「ふっ!」

「ほい」


気を許すことなく、キスを避けた。


「むうう!なんで避けるの、お兄ちゃん!」

「いやいや、兄と妹でキスって、アニメじゃあるまいし。」


「むううううううううううう!」


ふてくされて唸る空。

…しょうがないなあ。


「チュ」

「!!!!!!」


ほおにキスをした。

「起きた?」

「起きた!偉い?」

「偉い偉い!」


ぎゅーっと抱きしめる。

急にキスされてテンションがおかしくなったっぽい空を。


そして俺は、冷めたソーセージを食べて学校に行った。


意外と評価があったので、久しぶりの第一本はこれです

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