08
ーなんだその価値観。
でもなんかわかるような気がした。交際中ってただの口約束に過ぎないものだ。実質は何をしても自由なんじゃないのか。と考える私は頭がおかしいのだろうか、男性的なのだろうか。
絶対に浮気は許せない!
という人は男女問わずたくさんいるが、昔からいまいちその独占欲が理解できない。実際、遠距離中の彼の携帯電話が夜中の2時に鳴ったことがある。女の名前だった。しかし、特に怒りの感情は湧いてこなかった。それどころか、面倒くさいもの見てしまったくらいのことだった。
彼のことは好きだ。彼も私のことが好きだろう。ここが揺るがないんだったら、何も問題ないんじゃないだろうか。
しかし、こんな自由すぎる考えは女友達に話せるはずもなかった。
「みなさーん!そろそろここ時間なので片付けます!!二次会行く人は来てくださーい!」
諭が叫んだ。みんなゴミなどをまとめ出す。
「この黒縁眼鏡が武田。この茶髪が土田のツッチー、こっちが、見明、んで俺が荒牧。荒牧健一。みんなから荒健って呼ばれてます。二次会来るでしょ?てか、絶対来いよ!」
「え?あぁ、まぁ友達がいくなら…」
そうだ、2人の元へ戻ろうとしていたんだ。みんなどこへ…会場を見渡す。
「いっちかわさーん!」
雅と綾子がニヤニヤしながらこっちに手を振っている。それらに2人を紹介し、私達も二次会に参加することにした。