03
昨日もかなり飲んだ。目が覚めたベットの中で寝返りを打つ。服も下着もつけていない。つまり全裸で寝ているということは、結構酔っ払った証拠だ。
17時に新宿南口で待ち合わせだ。
携帯をチェックしたが、彼氏から連絡は入っていなかった。どうせ彼も飲んでぐったりしているのだろう。
ずるずると重い体を引きずり、シャワーを浴び、化粧を始めた。ノリは最悪だが
まぁ今日は付き添いのつもりだし、いいやと思った。
クローゼットを開け、服を選ぶ。
ビジューのついたツイードのスカート、肩の部分がレースになっている黒のニットを選んだ。どちらも地元のインポートショップで買ったものだ。
少しキツくなったスカートに、ため息をつきながら、コートを羽織った。
新宿にはなかなか慣れない。
出口がいっぱいあるし、何階に自分がいるのかわからなくなる。土曜の新宿南口は人でごった返していた。程なくして雅が現れた。
雅は私の2つ下で、とても仕事ができる女だった。余計なことは言わないが、言葉のチョイスはピカイチで、彼女の頭の良さをうかがわせた。
クリエイターはキャリアの世界なので、25歳でデザイナーになった私にとって雅は先輩だ。とわいえ、雅とは友達のように仲良くしている。
「昨日もけっこう飲んじゃいましたね〜」
「そうだね、うちら飲みすぎだよね」
とりとめのない会話をしながら綾子を待った。
少し遅れ気味に綾子が到着した。
持ち寄りパーティのため、軽食とお酒をデパ地下で調達し、タクシーを拾った。
携帯をチェックしたが、いつもしつこいくらいくる彼からの連絡はなかった。