4th lie Q.彼女は一般人でしたか?
A.いいえ。きっと逸般人でしょう。
にしても私のネーミングセンス仕事しろ
さて、今日は、またあいつ等来るのかなって……
「辺りが暗いね。昼に来るようにしたつもりだけれど」
(<目>のバグはないはずだが。一旦戻るか?)
「一寸待って。クロ、目を上にあげて見えたものを教えて」
(そうだな。確認しておくか)
<目星>+クロの補助
(30+15)…自動成功
辺りを見回すと、クロの手助けは要らない、寧ろ手伝わせない方が賢明だったと気づいた。
そこには、
四足のケモノの様なモノがいた。
子供が描いたような歪でいて、派手な色で形作られたソレは
いつも通り今まで見たものとは全く違っていた。まだバケモノの種類は増えるのかぁ。
<SANチェック>[0/1D4]
到(30)…63 1D4…1
到(29)
意外と耐えられるか。前みたいに発狂するのはないみたいだ。
「クロ、もう一度確認するよ。アレの近くに黒いのがいる」
(それは要らねぇと思うぜ。見た感じ人みたいだが……)
「襲われているみたいだね。一応助けようか」
<目>に問題がないのならここに何かあるのだろう。おそらくゲームの鍵だ。
「”遠方の歪な獣は凍てついて――」
近くに勇者達がいないのを確認するとチカラを
チカラを使う前にソレは忽然と消えた。<目>の様に輝くこともなく、コンマ以下の間に消えた。
「瞬間移動……出来る?」
(いや、もう奴はそこらには居ないみたいだ。それより、倒れているぞあの人)
回収に行った方が、いいのかなぁ。オハナシもしたいし。とりあえず連れていくべきかな。
ここにいた場合バケモノが来るけれど周りは草しかないし僕とそこの人――金髪の女性みたいだ――のHPさえ気を付けていればいいだろう。連れて帰ればって
「そういえば<目>って一緒に人も移動できるかな?」
(俺がいい証拠じゃないか)
「そういえばそうだね」
連れて帰る場合この娘を逃がしにくくなるけれどバケモノを消したのを考えると家がなくなる危険性がなぁ。
「まぁいっか。家が無いなら移ればいいんだし」
(適当すぎやしないか?)
「まあいいさ。ほれ<幻想を望む目>」
念のためにと首を柔らかく掴んで戻った。
―――――
0時10分、やっぱりあっちで時間を潰してたら良かったかなぁ。勿体ないことをしたと思いながら手に人肌の感触があるのを確認してそちらを見る。
「ちゃんと連れて来られたようか……ようだね」
(真っ裸だがな)
「帽子……はあるから触れた所だけなんだろうね。次回があるなら気を付けるよ」
とりあえず自分のベッドに寝かせ起きるのを待とう。
服は、母親のが残っているからそれを着せようかな。埃っぽくなければいいけれど。下着は……てまずサイズが合うだろうか。服もそうだ。この娘主に一部分が大きいし誰かが着たものなんて僕でも着るのは嫌だし。
まぁコンビニや通販でどうにかしよう。そして、
「一応コレには<門>とか<窓>とかの転移系魔法はあった」
(けれどもそういった消え方ではなかった)
「可能性としてはアレの能力、他の見つけられなかったバケモノか人の能力、あの草原、天候、時間にそういったルールがある」
(そしてそこの娘のチカラって可能性)
「けれど僕があの時間に行ったことを考えると」
(今まで似たようなことが無かったから草原、天候、時間の可能性はほぼない。<目星>は成功しているから他の生物を見落とす可能性はない。クリティカルしていたら違ったかもしれないが)
「後はこの娘かバケモノかだけれどほぼ一択」
(? まだそれは分からないだろう? あのバケモノを見たのは初めてだったが)
「進まないゲーム程面白くない物はない。居なくなったバケモノは姿以外何も手がかりがない。それを一から探すのにどれだけ時間がかかる? 僕を魔王に仕立てたあの娘が好きだと思うこんなの?」
(となると今俺たちはそんな危険人物の隣で話しているわけだ)
「流石に裸で戦う女性なんていないでしょ」
人のMP平均は50程度だから起きるまではまだ時間はあるだろう。そういえば
「あのダイスは一体何に使うの?」
(CoCで行動の判定に1D100を使うのは知っているだろう。嬢ちゃんはエアガンで戦うのに貫通を利用するんだよな。貫通は技能値を99%にしても約20%だ。どうやってそんな物で戦うんだ?)
「それはBB弾やエアガン本体にチカラを使って……ダイスにも貫通を補助するように出来る?」
(いや、ダイスを買ったときはエアガンを使うなんて思わなかったが、確率を変動させるようにチカラを使えるんじゃないかと思ってな)
ふむ。そういった使い方があるのか。なら他にも使えそうなものがありそう。
「んぅ……こ、ここは?」
(起きたようだな)
(うん。さて保護対象か殺害対称か。前者の方がいいんだけれど)
「目を覚ましたの」
僕の声に反応したのか勢いよく跳ね起きた。
「だ、誰!?」
「あぁ、僕は到、阪井到。この家の持ち主。君の名前は?」
そういうと彼女は周りを見て落ち着いてきたようだった。
「えぇと。私はサラ。サラ・リアロスです。草原にいたはずなのですが」
「それは合ってるよ。草原で寝たままじゃ死んじゃうからここに連れてきた」
「それはどうもありがと……私の服はどこ!」
(きゃあとかテンプレみたいな声出すかと思ったけれど)
「貴女の服は連れてくる際に一寸問題があってね。代わりの服は好きに買っていいからそれでどうにか」
「そうですか。あ、特にあの服が大切とかそういう訳じゃないので」
取り敢えず服はいいようだ。サラはシーツに包まって部屋を見ていた。
「ところで貴女がバケモノを消した方法を聞きたいのだけれど」
「……貴女には使えませんよ」
「構わないよ。殆ど知的好奇心だから」
「念のために聞いておきますがけどここは魔術の国ですか?」
「あっちの国かなそれは。ここは違うよ」
「そう……なら」
それからサラは彼女のチカラについて教えてくれた。
自分が言ったことと正反対の事が実現すること。
一度も失敗したことはないこと。
多い時で一日に4回使えること。
使いきると20分くらい、長い時は1日半くらい眠っていること。
「後聞きたいのはあの場所にいた理由とか……まぁいいか。今日はもう寝よう。明日の、夕も話を聞きたいけれど帰りたい?」
「……いいえ。今は帰っても……」
俯いてしまった。あっちで一体何があったのかな。暗い中草原にいて……
「そのベッドで寝て、明日服をどうにかしよう。それじゃあ、おやすみ」
「え、ええ」
電気を消して、本とパソコンを持って部屋を出る。
(嬢ちゃんは寝ないのか?)
「あの娘を連れてくる前に言ってたよ。エアガンが使えるならって。それなりのダメージが出せるか調べるよ」
まだ時間は結構ある。夜の内に調べきれればいいなぁ。
そんなことを考えながらリビングに向かっていった。
本気でエアガンで戦う気なのかぁ。
捕まらなければいいけれど。
まぁ<幸運>で100出さなければだいじょうぶかな。




