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ゲヒュール2  作者: ルイ
92/199

同化

バニーに向かって、静かに口を開く。

「バニーさん、取引しませんか?」

「……なんだよ」

警戒はしているが、拒絶はしない。

「正直、このままだと勝ち目ないですよね」

一瞬、言葉が詰まる。

「……」

否定できない。

「そこで提案です」

間を置いて。

「同化しましょう」

「は?」

即座に眉をひそめる。

「何言ってんだお前」

「大丈夫ですよ。主導権は基本そっちです」

「いやそういう問題じゃねぇだろ」

少しだけ間。

「……私、消えたりしないよな」

「そこまで強いと思います?」

あっさり返される。

「……あー……」

微妙な納得。

「同化しても、普段はバニーさん主体でいいです」

「時々、私が出てアドバイスします」

「その代わり――」

「日曜日は、私にください」

「……マジかよ」

沈黙。

「てかさ」

バニーが少しだけ睨む。

「お前、それ勝手にやればいい話じゃねぇのか」

「拒絶されたら弾かれますから」

淡々とした説明。

「……」

少し考える。

(アイツのため、か)

(……それに)

(こいつの気持ちも、分かる)

小さく息を吐く。

「……分かった」

「ありがとうございます」

――同化。

感覚が重なる。

「あー……なんだこれ」

「違和感ありますよね」

「気持ち悪ぃな……」

「すぐ慣れますよ」

一拍。

「あ、今日は日曜日なので」

「私の日ですね」

「……あぁ、分かった」

意識が、ゆっくり沈む。

「ご主人様ー!!ただいまです!」

明るい声。

「おかえり」

自然な返答。

「ギューして下さい」

「……はいはい」

軽く抱きしめる。

「嬉しいです」

少しだけ柔らかく笑う。

「今日は外、行こっか」

「はい!」

外出。

「このクレープ美味しいですね!」

「食べ方、可愛いなぁ」

ほっぺについたクリームを指で取る。

そのまま口へ。

「えへへ」

「私のも一口あげる」

「やったー!」

帰宅。

「楽しかったです!」

「私も」

「ご主人様、大好きです」

一瞬、言葉が揺れる。

「……私も」

少しだけ間。

イヌが首を傾げる。

「でも」

「なんで、今日は入れ替わってるんですか?」

「……え?」

「分かりますよ」

迷いのない声。

「大好きな人は、見分けつきますから」

沈黙。

「……日曜日だけ、交代なんだ」

「そうなんですか」

「……嫌だった?」

少しだけ、不安が混じる。

「………」

一瞬、考える。

「記憶、戻ってるんですよね」

「……うん」

「僕のこと、恨んでないですか」

まっすぐな問い。

「恨んでないよ」

即答。

「私は、君に救われてたから」

「……そっか」

小さく頷く。

「ご主人様、了承してるんですよね?」

「ちゃんと、確認したよ」

「なら、大丈夫です」

安心したように笑う。

「今日は一緒に寝よっか」

「はい!」

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