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ゲヒュール2  作者: ルイ
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喧嘩

部屋の空気が、最初から悪い。

バニーが先に口を開いた。

最近、距離が近すぎる。

わきまえろ、と。

ゲヒュールは軽く受け流す。

あの子も喜んでいるし問題ない、と。

だがバニーは引かない。

隙を見て抱きしめる、撫でる。

その頻度がおかしいと詰める。

返ってきたのは、迷いのない一言。

「愛情表現ですよ」

バニーの眉がわずかに動く。

前に言ったはずだ。

側に居てやれ、と。

それを断ったのはどこの誰だ、と。

一瞬の間。

だがすぐに言い訳が返る。

「いやいや、あの子がされたがってるかなって思って、善意でやってるだけですけど」

「テメェの欲望だろうが」

即座に切り捨てる。

それでも引かない。

「違いますー。私が一番あの子のこと考えてます」

言い切るその顔に、苛立ちが乗る。

「何言ってんだお前」

さらに踏み込む。

「やっぱり女性として私の方が包容力ありますし、ふさわしいんじゃないですか?」

「人じゃねぇだろお前」

「生殖器官ありますしー」

空気が一段階悪化する。

「人間とゲヒュールで子供なんて出来るわけねぇだろ」

「いや……それは――」

言い切る前に。

扉が開く。

「ただいまです!!」

一瞬で空気が切り替わる。

バニーは振り返り、そのまま問いを投げる。

「おいイヌ。人間とゲヒュールの間に子供なんて出来ねぇよな?」

勝ちを確信した声。

イヌは少しだけ考えてから、あっさりと言う。

「ん?フクスと女性の間に子供いますよ?」

沈黙。

横で、ゲヒュールの口元がゆっくり歪む。

次の瞬間。

そのままイヌに飛びかかり、押し倒す。

「え?え?なんですかこれ?」

状況が分かっていない声。

「何してんだテメェ!!」

バニーの怒声が飛ぶ。

視線の先。

イヌは抵抗しているはずなのに、どこか力が抜けている。

それがさらに火に油を注ぐ。

「おい、満更でもねぇ顔してんじゃねぇよ。元カノ相手だからって!」

「してませんけどー」

軽い否定。

「嘘つけや!!」

収拾は、もうついていなかった。

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