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ゲヒュール2  作者: ルイ
78/402

大好きなのに。

バニーが、ふと口を開く。

「なぁ、ゲヒュール」

「なんですか?」

静かな返答。

「……やっぱりさ、あんたが側に居てやれよ」

一拍。

「それは、お断りします」

迷いのない声。

「なんでだよ」

少しだけ苛立ちが混じる。

「好きなお菓子だから言うこと聞いてるわけじゃねぇだろ」

「……あいつが、あんたのこと好きだからだ」

「思い出、手放せねぇだけだろ」

沈黙。

「……私は死人ですよ」

ゆっくりと返す。

「あの子が悲しむと分かっていて、自分で終わらせた人間です」

「それはトイシェンのせいだろ」

「関係ありません」

静かに遮る。

「あの子は、自分のせいだと思ってる」

「それが事実かどうかは、どうでもいいんです」

バニーは言葉を失う。

それでも、踏み込む。

「……でもさ」

「側に居たいだろ」

「撫でてやりたいだろ」

一瞬だけ、空気が揺れる。

「……」

小さな沈黙。

それから。

「当たり前じゃないですか」

少しだけ、声が崩れる。

「全部、好きですよ」

「寝顔も、甘えてくるところも」

「ご褒美あげた時の顔も」

「……全部」

間。

「それでも」

ゆっくりと言い切る。

「我慢してるんです」

「好きだから」

「私に囚われてほしくない」

「……」

バニーは何も言えない。

「変に揺さぶらないでください」

静かに釘を刺す。

「……悪かった」

短く謝る。

沈黙。

最後に、ぽつりと。

「あぁ……」

ほんの少しだけ、掠れた声。

「生きてればよかったな」

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