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ゲヒュール2  作者: ルイ
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謝罪

黒崎は深く頭を下げた。

「……申し訳ございません」

目の前の管理職は、露骨に疲れた顔でこめかみを押さえる。

「いや……本当に、勘弁してくれないかな……」

ため息が重い。

「こちらの管理不足です」

黒崎は表情を変えずに続ける。

「……まぁいい」

相手は椅子に体を預けた。

「それで? どうして到着が遅れたんだ、――は」

一瞬の間。

黒崎の思考が走る。

(パチ屋見つけて打ってました、なんて言えるかボケ。アイツ……マジで覚えとけよ)

「……手配した車が渋滞に巻き込まれたようで」

口から出たのは無難な嘘。

(バレたら普通に終わるぞ……)

管理職の眉が僅かに動く。

「――は、走れば車より速いだろ」

沈黙。

(……詰んだ)

空気が一瞬で固まる。

黒崎は言葉を探すが、出てこない。

数秒。

やがて――

「……はぁ」

相手が小さく息を吐く。

「黒崎君も大変だね。責めて悪かった」

(……あ)

向けられるのは追及ではなく、同情。

(助かった……けど、これ普通にキツいな)

「それで、あと何箇所だ?」

「……ここで三箇所目です。残り、五箇所になります」

一瞬、間。

「……そうか」

管理職は静かに頷いた。

「本当にお疲れ様。頑張って」

「……ありがとうございます」

黒崎は再び頭を下げる。

部屋を出る。

扉が閉まった瞬間、わずかに肩が落ちた。

(……マジでアイツ、後で覚えてろよ)

その日の黒崎の仕事は――

戦闘ではなく、謝罪で終わった。

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