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ゲヒュール2  作者: ルイ
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電話

電話が鳴る。

「ご主人様! 電話出ますね!」

「スピーカーにして、ここで出ろ」

「……はい」

通話が繋がる。

「どうした、黒崎」

(雰囲気が変わった……誰だ、こいつ)

「潜入調査の調子はどうだ?」

(……警察か)

「対象のゲヒュールは“トイシェン”。手がかりはまだ少ない」

「ふーん……なるほどな」

軽く鼻で笑う。

「識別個体に追加しておく」

「ギャンブル好きらしい。こっちに手駒も回してきた」

「丁度いいじゃねぇか」

即答だった。

「お前、ギャンブル好きだろ?」

「あ? パチスロは好きだけど、他は微妙だな」

「勝つのが確定してるギャンブルとか、つまんねぇし」

「なんだそれ」

「てかさ」

少しだけ声色が変わる。

「十年前のヴェーラー戦、参加してくれても良かったんじゃねぇの?」

「はぁ……?」

露骨にため息。

「面倒くせぇからやるわけねぇだろ」

「命賭けるとか以前に、ただの博打だ」

「泥舟には乗らねぇよ」

「……否定はしないがな」

「そうだ」

軽く話を切り替える。

「インスティンクトってやつ、今度教えてくれよ」

「お前じゃ十年はかかる」

「貶すなよ」

「褒めてんだよ」

間を置かず返す。

「使える素質があるってだけで十分だ」

「……そうかよ。ありがとな」

「じゃあ切るぞ」

通話が途切れる。

沈黙。

次の瞬間。

「――っ」

イヌの体が横に弾かれる。

「テメェ」

バニーの足が、そのまま踏みつける。

「大事なこと、隠してたな」

「えー……」

イヌは笑ったまま答える。

「言わなくてもいいかなって思って」

「潜入調査、ねぇ」

わずかに目を細める。

「テメェが私に惚れてんのも、嘘か?」

「嘘じゃないですよ!」

即答だった。

「最初は、トイシェンを追ってる人間だと思ってました」

「でも――」

少しだけ楽しそうに笑う。

「心を見たら、“ペットにされたいな”って思って」

「……は?」

「尊厳を喰わせた影響か」

「まぁ、そんなところです」

「……で?」

踏みつける力がわずかに強くなる。

「他に隠してることは?」

「えへへ」

イヌは目を細める。

「今の電話で、だいたいバレちゃいました」

沈黙。

(イヌの素性は割れた)

(……警察側の人間)

(トイシェンにも関わってる可能性あり)

(でも――)

(使える)

バニーは静かに息を吐く。

(利用するに越したことはない)

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