戦闘とギャンブル以外で何が出来るん?
バニーがふと口を開く。
「なぁ、お前さ」
「なんですか、ご主人様」
「戦闘とギャンブル以外で、何が出来るんだ?」
イヌは即答する。
「家事全般です」
「……あー、はいはい。他は?」
「読心術」
「一旦それは置いとく」
バニーは軽く手を振る。
「足が速いです」
「小学生かよ。……はい次」
「高給取りですし」
「貯金は?」
「借金はしてません」
ドヤ顔。
「……」
一瞬の沈黙。
「うーん……僕、完璧すぎて逆に長所が分からないんですよね」
「器用大富豪的な」
「チッ」
バニーが小さく舌打ちする。
「あ、顔もいいので割とモテます」
「うんうん、そうだね。続けて」
もう諦めている。
「あ、あと周りから頼られますよ」
「え?マジで?」
「そうですよ」
「ただ、何故かみんな黒崎を通して頼んでくるんですよね」
「あー……うん」
バニーが目を逸らす。
「僕に直接話しかけるの、そんなに緊張するんですかね?」
「割とフレンドリーなんですけど」
「自己評価はそうなんだな。自己評価は」
「あ、でも」
「ギャンブルする軍資金払ってくれれば、大体言うこと聞きますよ僕」
「うわぁ、扱いやすい」
「あ、黒崎から電話だ」
――通話開始。
「あー、今いいか。仕事頼みたいんだが」
「ごめん、今日外せない用事あるから無理」
「あー、ゲヒュール討伐。五万出す」
「……」
一拍。
「よく考えたら用事明日だったわ。今から行くね」
「助かる」
――通話終了。
「ね?頼られてるでしょ」
「どの口が言ってんだよ」
「ご主人様、ちょっと行ってきますね」
「行ってらっしゃい」
ドアが閉まる。
静寂。
「……ゴミクソ虚言癖イヌに改名させるか」




