お前そんなんでどうやって付き合ってたん?
バニーがふと思い出したように口を開く。
「そういえばさ、イヌ」
「なんですか、ご主人様」
「お前の……その、恋人ってさ」
少しだけ言い淀む。
「どのくらい付き合ってたんだ?」
「五年ですね」
「……あー、いや」
軽く手を振る。
「別にシリアスにしたいわけじゃねぇんだけどさ」
「なんです?」
「どういう関係だったんだよ。お前と」
「普通ですよ?」
「お前の“普通”が信用できねぇんだよ」
ため息混じりに言う。
「他と違うとこ、なんかねぇのか」
「あ、ありますあります」
「おう、言ってみろ」
イヌは少し考えてから、軽く笑う。
「デート、一時間遅刻しても怒らないんですよ」
「むしろ、何故か向こうが後から来るんですよね」
「……は?」
「あと、パチンコ行きたくて“仕事”って嘘ついてドタキャンしても」
「全然怒らないですし」
「……」
「なんなら、そのまま友達呼んで遊んでるんですよね」
「“気にしないで”って」
「……」
「記念日忘れても怒らないですし」
「都合悪くなったとき黒崎のせいにしても、“そっか”って」
「……」
バニーの目がじわっと細くなる。
「で?」
低く促す。
「なんか」
イヌは首を傾げる。
「僕が悪いことすると、ちょっと嬉しそうなんですよね」
「撫でてくれますし」
「……」
沈黙。
数秒。
「……あー」
バニーがぽつりと呟く。
「理解したわ」
「何をです?」
バニーは真顔のまま言う。
「お前がゴミすぎる理由」
「……ん?」




