強制選択《フォースド・チョイス:欲望制約》
「なぁイヌ」
バニーがテーブルに肘をつく。
「パチスロ、しばらく禁止にするか?」
「は?」
イヌの目が細くなる。
「賭けようぜ。負けた方が禁止」
「……」
沈黙。
「逃げてもいいぞ。その場合は命令で禁止するけどな?」
「やるに決まってんだろ」
即答。
「その代わり、ご主人様が負けたら?」
「好きにしろ」
「言いましたね」
イヌは笑う。
「じゃあ、やりましょうか」
強制選択《フォースド・チョイス:欲望制約》
「ルールはほぼ同じだ」
バニーが淡々と説明する。
「攻撃と防御。攻撃を二回通したら勝ち」
「攻撃は無制限。連続使用は可能」
「ただし、防御は三回連続で使えない」
「反転は一回」
一拍。
「で——ここからが本題」
「攻撃を“反転を除いて二回選んだ時点で”」
バニーは笑う。
「以降、お互いの手札は公開状態で戦う」
「さらに攻撃の連続使用は禁止になる」
「……」
イヌは少し考える。
「なるほど」
「欲張ると、読み負ける」
「そういうこと」
「面白いですね」
「始めるぞ」
――オープン。
イヌ:攻撃
バニー:防御
「ん?ルール分かってるか?」
「反転」
――オープン。
イヌ:攻撃
バニー:防御
「え?」
次の瞬間。
イヌの手札が開示される。
「……あ」
「発動だ」
公開状態。
さらに攻撃の連続使用は禁止。
イヌ:防御
――オープン。
バニー:攻撃
「反転」
イヌ:防御
「……あ」
小さく漏れる。
「終わったな」
「今更気づきましたか?」
――オープン。
バニー:攻撃
バニー側も条件を満たし、手札が開示される。
「はい、ご主人様」
イヌが笑う。
「これでお互い公開ですね」
――オープン。
イヌ:攻撃
バニー:防御
「一万年早いんですよ」
肩をすくめる。
「僕に勝つなんて」
「……バーカバーカ」
「いや、このルール攻撃しにくすぎだろ」
「分かってますよ」
イヌはあっさり言う。
「だから読むんです」
「インスティンクト使わなくても分かりますし」
「え?読み合い無し?」
「するまでも無いでしょ」
即答。
「じゃあ、僕の要求は——」
「はいはい……」
「毎日、おやすみのキスしてください」
沈黙。
「……クソがよ」




