真剣な相談
イヌが真顔で切り出す。
「なぁ……黒崎」
「どうした」
黒崎も少しだけ構える。
「この前、ご主人様に言われてな。ちょっと気になってることがある」
「おう」
「俺って、そんなにクズか?」
一瞬の静寂。
次の瞬間。
黒崎が爆笑する。
「はははははっ!!」
「どうした、頭でもイカれたか?……まぁ元からかもだが」
「ゲホッ……ちょ、待て……!」
息を整えようとするが、まだ笑いが止まらない。
「頼むから……その顔で言うな……!」
「この顔ってなんだ。普通に真剣だぞ」
黒崎は顔を押さえる。
「ダメだ……ちょっと待て……死ぬ……ヴェーラー相手してる方がまだマシだ……」
「なんだそのブラックジョーク」
「……ふー……」
深呼吸。
ようやく落ち着く。
「で?」
イヌが首を傾げる。
「俺はクズなのか?」
黒崎は即答する。
「クズだな」
「何故?」
「……いや」
少し考える。
「クズじゃない部分探す方が難しいかも」
「うーん……分からん」
黒崎はため息をつく。
「まず責任転嫁な。お前、書類でミスっても全部他人のせいにしてただろ」
「で、強いからって討伐専属に回されたの忘れたか?」
「あぁ」
イヌはあっさり頷く。
「俺強いし、その方が効率いいだろ」
「……一旦それは置いとく」
黒崎はこめかみを押さえる。
「あと、平気で嘘つくところ」
「え?」
「十年前のヴェーラー戦、参加しなかった理由」
少し視線を向ける。
「トイシェンの手がかり見つけたって言ってたよな」
「あー……」
イヌは軽く考える。
「嘘ではないが?」
「じゃあ何見つけたんだよ」
一拍。
「忘れた」
沈黙。
黒崎は静かに言う。
「お前、マジでそういう所だぞ」




