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イヌがギャンブルを始めた理由
バニーがふと思い出したように口を開く。
「そういえばさ、お前がギャンブルにハマった原因と、その強さの理由って何なんだ?」
「そうですね……」
イヌは少しだけ視線を落とす。
「僕、昔から捻くれてて、友達いなかったんですよ」
「……」
「誰も遊んでくれなくて、ずっと一人で」
一拍。
「でも、近所のおじさんが遊んでくれました」
「ほう」
バニーが頷く。
「その人、天性のギャンブラーで。めちゃくちゃ強くて」
「……」
「僕、そこで色々教えてもらって、気づいたら強くなってました」
沈黙。
バニーが小さく息を吐く。
「……そうか」
「大変だったんだな」
「まぁ」
イヌは軽く笑う。
「全部嘘なんですけど」
「は?」
間。
「どこからだよ」
「最初からですね」
「友達いなかったってのは?」
「普通にいましたよ」
イヌはさらっと言う。
「クズなの面白がられて、割と人気者でした」
「……おじさんは?」
「いません」
「ギャンブルは?」
「気づいたらハマってました」
「強い理由は?」
「普通に僕が天才だからです」
沈黙。
「……なんで嘘ついた?」
イヌは一瞬だけ考える。
「その方が、面白いかなって」
「……」
バニーは目を細める。
「なんでコイツのこと好きになったんだろうな」
「何か言いました?」
「別に」




