途中で変な勝ち方したり論理的なミスに気づいて文章編集してる
イヌはしばらく黙っていたが、ふと首を傾げた。
「……うーん」
「どうした」
バニーが煙を吐きながら聞く。
「いや……僕、そこそこ頭いいじゃないですか」
「自分で言うな」
「なのに、なんか変なんですよね」
「何が」
イヌは少し考えてから、言葉を選ぶ。
「“辻褄が合ってるのに、納得感がない”っていうか」
「……は?」
「勝ってるんですよ。ちゃんと」
指で机を軽く叩く。
「でも、“どうやって勝ったか”が妙にぼやけてる時があるんです」
「記憶飛んでんのか?」
「それとも――」
一瞬だけ目を細める。
「どっかで都合よく繋ぎ替えられてる感じ」
「おい」
バニーの声が少し低くなる。
「そういうの、あんま面白くねぇぞ」
「いやいや、怖い話じゃないですよ」
イヌは軽く笑う。
「むしろ逆で」
「逆?」
「“負けないように整えられてる”感じです」
「……」
「ほら、たまにあるじゃないですか」
少しだけ楽しそうに続ける。
「“結果だけ完璧で、過程が雑なやつ”」
「お前な」
バニーはため息をつく。
「誰に文句言ってんだ」
「別に文句じゃないですよ」
肩をすくめる。
「ただ――」
ほんの少しだけ声を落とす。
「“僕の思考に追いついてない誰か”がいる気がするだけで」
「……マジで黙れ」
間。
イヌはくすっと笑う。
「まぁいいじゃないですか」
「勝ってるんですし」
「それで納得できんのかよ」
「出来ませんね」
即答。
「だから気持ち悪いんですよ」
少しだけ間を置く。
「……ま、もしどっか変でも」
軽く手を振る。
「見逃してください」




