情報を賭けて
「バニーちゃん……でいいのかな?」
男が軽く首を傾げる。
「はい。なんでしょう、お客様」
いつも通りの笑顔。
「私と勝負、しませんか?」
「私が負けたら――」
一拍。
「あの男の情報を渡します」
(……)
「代わりに、私が勝ったら」
視線が細くなる。
「その男の詮索、やめてもらえますか?」
(何が目的だ……)
「あー、最近は別に詮索してないんですよね」
肩をすくめる。
(ゴミ情報ならいらない。割に合わない)
「――――」
男が何かを囁く。
「……っ」
ほんの一瞬、笑みが消える。
(こいつ……私の“名前”を)
空気が変わる。
「……いいよ。乗る」
笑顔に戻るが、目は笑っていない。
「ゲームはこちらで決めさせてもらいますね」
「ご主人様」
横から声。
「やめた方がいいです」
「なんだよ」
「その男、強い」
淡々と告げる。
「ご主人様が勝てるかは……」
「うるさい」
即座に遮る。
沈黙。
「……条件を追加します」
イヌが一歩前に出る。
「僕も参加できるゲームであれば受ける。それ以外は拒否します」
「何勝手に決めてんだよ」
「ふーん」
男は楽しそうに笑う。
「そっちも面白いね」
わずかに目を細める。
「――君も、似た匂いがする」
軽く肩をすくめる。
「まぁいいや。どの道、勝つし」
(……こいつに勝てば、情報の質は上がる)
(負ける選択肢はない)
「それじゃあ、始めようか」
男が手を差し出す。
「ゲームは――」




