歳の差
「お前さぁ、いい加減毛剃れよ」
「面倒くさいです」
「いや、なんか獣人みたいになってるぞ」
「良いじゃないですか。犬みたいで」
イヌはあっさり服を脱ぐ。
「ほら、ワンコです」
「何してんだお前」
「首輪付けて下さいよぉー」
「付けねぇよ。そんな変態居ねぇだろ」
――その瞬間。
「「「ヘックション」」」
遠くで、三人同時にくしゃみが響く。
「「「どうしたの?」」」
「フクス」
「蓮」
「迅くん」
「「「いや……なんか噂されてる気がした」」」
――場面が戻る。
「インスティンクトはゲヒュールに近づく、ねぇ」
「まぁ、そうですね」
「なんかデメリット無いのか?」
「特には無いですけど……」
イヌは少しだけ視線を逸らす。
「戻れなくなるくらいですかね」
「……は?」
「冗談ですよ」
「笑えねぇんだよ」
バニーはため息を吐く。
「そう言えばさ」
「はい?」
「お前、私と付き合いたいとか思わないのか?」
「いや、僕とご主人様じゃ年齢が違いますよ」
「いや、見た目同じくらいだろ」
「僕、32です」
「は???」
バニーの動きが止まる。
「いや……20代前半かと……」
「あぁ、インスティンクトをほぼ常時使ってるので」
「ゲヒュールに近づいた影響で、老化ほぼ止まってます」
「えー……私は20なんだけど……」
微妙な沈黙。
「……てかさ」
「はい?」
「なんで恋人は駄目で、私のことご主人様扱いしてんの?」
イヌは一瞬だけ考えて――
ふっと笑う。
「まぁまぁ」
「いいじゃないですか」
「ご主人様」




