人生はギャンブル
「なぁ……インスティンクト、全然出来ないんだけど。」
黒崎がぼやく。
「無理に決まってるだろ。だから十年かかる。」
イヌが淡々と返す。
「レベル5とレベル10を飛ばして、いきなりレベル100になれるか?」
「……はどうやって身につけた?」
「だからイヌだって。いや、俺は普通に天才だから。」
軽く肩をすくめる。
「読心術と、自分とゲヒュールの精神観測。それを組み合わせて習得した。」
「うわ、嫌味。」
「てかお前、なんでそんなにギャンブル好きなんだ?」
「急だな。まぁ……人生はギャンブルみたいなもんだし。」
「カッコつけんな、イヌ。」
バニーがイヌの頭を叩く。
「何が“人生はギャンブル”だ。ただの中毒だろ。」
「酷いですよ、ご主人様。」
「お前が敬語でご主人様って呼んでるの、今でも違和感あるわ。」
「なんだよ黒崎、ひでぇなぁ。」
「で、そのご主人様はどんだけ凄いんだ?」
「ご主人様はギャンブルが物凄く弱くてー、契約の強制履行ができる。」
もう一度、バニーの手が振り下ろされる。
「お前が強すぎるんだよ。私はそこらの奴相手なら負けなしだぞ。」
「僕の方が強いので。」
「ウッッザ。」
「契約の強制履行か……」
黒崎が口を挟む。
「ヴェーラーレベルにも通用してたし、結構強いんじゃないか?」
「まぁ……確かに?」
「相手の承諾か、相手自身の発言が条件だけどな。」
「それでも強いぞ。バニーだっけ、ゲヒュール対策課に入らないか?」
「ご主人様だとすぐ死ぬぞ。正気か?」
「癪に障るが、イヌの言う通りだ。私は弱いからな。カジノのディーラーやってる方が向いてる。」
「ご主人様はバニースーツ似合いますもんね。」
「殺すぞお前。」
「褒めてるんですよ、ご主人様。」




