トイシェン討伐
「あー……来たんだ、君達。」
トイシェンが薄く笑う。
「まぁいい……ゲームをしよう。」
「その前に約束しろ。逃げないってな。」
バニーが契約を結ぶ。
「いいよぉー。」
「それじゃあ――ゲームの説明ね。」
「しませんよ。」
イヌがあっさり遮る。
そのままスマホを取り出し、ワンコールだけ鳴らす。
「……は?」
「いや、倒したいんだろ?」
「不可侵があるから無駄だよ。」
「そろそろかな。」
「何が?」
次の瞬間、突風が吹き抜ける。
「………。フクス。」
トイシェンの顔から余裕が消える。
「知らなかったなぁ……私が知らないヴェーラークラスの化け物が居るなんて。」
圧が場を満たす。
フクスが、ただそこに立つ。
「逃げ――」
「契約の強制履行。」
バニーが静かに告げる。
「無駄だって。」
「だが……不可侵がある。」
フクスの突進が、わずかに止まる。
だが――
「その程度の能力……格の差で覆せる。」
次の瞬間。
フクスは、そのままトイシェンを喰い殺した。
「……ありがと、フクス。」
「黒崎に頼まれたからな。」
「はぁ……」
バニーがその場に座り込む。
「どうしました?ご主人様。」
「いや……あっけなく終わったなって。」
「まぁ……確かに。」
少しの沈黙。
「この後……何を目的に生きればいいんだろうな。」
イヌが肩をすくめる。
「僕とゲームしたり、普通に生活しましょうよ。」
バニーは少しだけ笑う。
「……うん、そうだな。」
一息。
「ありがとう、イヌ。お前と出会えて良かった。」
「こちらこそです、ご主人様。」




