人質尋問《ダブルダウト》
人質尋問
互いにトランプを一枚引く。
数字は相手には見えない。
盤上には、二つの駒が置かれる。
一つは「真実」。
一つは「虚偽」。
どちらがどちらかは分からない。
ただし――
それぞれの駒は、常に同じ性質で答える。
ゲームはターン制。
プレイヤーは毎ターン、どちらか一つの駒を選び、
相手のカードについて質問を行う。
質問は「はい/いいえ」で答えられるものに限る。
駒は必ず答える。
だが、それが真実か嘘かは分からない。
これを繰り返し――
最終的に一度だけ、
相手のカードの数字を宣言できる。
当てれば勝ち。
外せば敗北。
「ご主人様……」
「分かってる」
視線は盤面から動かない。
「馬鹿を寄越すほど、トイシェンは甘くねぇ」
(二つの駒)
(どっちが真実かは分からない)
(なら――切り分けるしかない)
「……右だ」
指先で軽く示す。
「質問する」
一拍。
「その数字は――偶数か?」
数分後。
「そろそろ情報も揃ったな」
「二手でチェックメイトだ」
「は??」
「右の駒に質問する」
一拍。
「左の駒に“その数字は素数か”と聞いたら――YESと答えるか?」
「……」
「ルールに、質問内容の制限は無いよな?」
「……YESだ」
小さく息を吐く。
相手も同じ質問をなぞる。
「今更、遅ぇよ」
「次で終わりだ」
相手の表情が歪む。
「左に聞く」
一拍。
「その数字は――素数か?」
「……YESだ」
「確定」
迷いなく言い切る。
「左は真実、右は嘘」
一瞬の間。
「今までの情報から――」
視線を上げる。
「テメェのカードはキング……13だ」
「正解だ」
「勝ちましたね、ご主人様!!」
「質問に答えろ。テメェが怯えてる奴の事について」
「あ……あぁ……」
「カチッ」
「ご主人様!!」
イヌが即座に割り込み、バニーを押し倒す。
爆発。
「イヌ!!大丈夫か!」
「大丈夫です。予想外でした」
「クソッ……」
「遊ばれてますね……」




