ライダーズダイス
「テメェ、私の事舐めてんだろ」
「いえ、別にそんな事は……」
「今からゲームで勝負だ」
ライアーズダイス
二人で行う、嘘と読みのゲームだ。
それぞれサイコロを五つ振る。
出目は自分だけが確認する。
ゲームには一人、審判がいる。
審判はすべての出目を把握しているが、口には出さない。
順番に、質問か宣言を行う。
質問の場合――
「2は1個以上あるか?」など。
審判はそれに対して、
質問した側にだけ分かるサインで答える。
宣言の場合――
「この場に“同じ目がいくつあるか”」を予測する。
相手は二択。
「嘘だ」と見抜くか。
あるいは、より多い数を宣言して続けるか。
見抜いて当たれば勝ち。
外せば負け。
そして――
宣言した数がピッタリ当たっていた場合、
その出目のサイコロを一つ獲得できる。
最終的に、より多くのサイコロを持っている側の勝利となる。
「なるほど……」
「テメェ、上着脱げ」
「あー……インスティンクトを使ってないかの確認ですね。いいですよ」
「一回勝負だ」
バニーはイカサマサイコロを使い、六の目を最低三つ出るようにしている。
つまり、他で負けても六を当てれば逆転できる。
結果――六、三、二、六、六。
「質問する……一の目は――」
やり取りが続く。
「ご主人様はダイス五個。僕は――全部取られましたね」
「僕の六は二つ。他はバラけてます」
「……は?」
「二択ですけど、僕……一の目は持ってないんですよね」
「それに、ご主人様」
わずかに目を細める。
「質問で六だけ、一度も触れてない」
「八回も質問してるのに」
「逆に僕が六を話題に出すと、体が反応してました」
「おかげで、ブラフで流せましたけど」
「何が言いたい……」
「イカサマサイコロですね」
淡々と告げる。
「六に偏らせて、逆転用にしてる」
「妄想だろ」
「さっき、“六が四つある”って宣言して外しましたよね」
「ご主人様のダイス、途中で三つまで削られてるのに」
沈黙。
「宣言します」
一歩も引かない。
「六は五つあります」
「……ドローか」
「なぁ」
「なんですか?」
「気づいてただろ」
「イカサマの種類くらいは」
「お前なら、一つは取って勝てたんじゃねぇのか?」
一瞬だけ、間。
「それこそ――妄想ですよ」




