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第2話『信頼のできる部下たち』

あの人を許してから半年ほどたち、母さんはお茶会やパーティなどにも出席できるほど回復した。そして、あの医者__シンさんとの交流も続いている。僕のことを気に入ったからといっていた。少し変わった人だが凄腕の医者にかかわらず様々な人に手を差し伸べるいい人らしい。らしいというのは、シンさんの僕の前での言動があまりそうは見えないからだ。最初の頃の話し方は優秀で真面目な人間という印象を与えたが、あれは舐められないようにするためのもので今では崩れた話し方をしているのだ。恩人だと思っているがどうにも尊敬できない人だと思った。気に入ったからと我が家の担当医の契約をあの人としていたくらいだ。まぁ、あの人は優秀な魔法使いでもあるので転移魔法や伝達魔法を駆使して様々な場所に訪問しに行っているが。3日に一度は僕の部屋を訪ねてくるようになった。


まぁ、こんな話はさておき。

本来だったらこの1週間後ほどに養子が来たはずだった。けれど、養子を呼ぶ必要性がなくなった今、あの人が養子をもらうとは考えにくい。

本当なら、修正力があるからこのまま放置してもいい。が、今回はイレギュラーだ。最終的に原作が大きく変わってしまう可能性が高い。すると何が起こるか予想が難しくなってしまう。そうなると、自分の死を免れにくくなるのだ。だからこそ、養子の彼らには我が家に来てもらい尚且つ良い関係を保つ必要性があるのだ。今までのループでは、次期当主となる彼らとはあまり接する事ができていなかった。自分の感情はもちろん、あの人が周りの従者たちに命令をし、近づかせないようにしていたのだ。だから、今回のループでは彼らとは良好な関係を作れる可能性が高いのである。それに、自分は元は一般家庭出身である。何十回も貴族としての人生を送ってきたといってもそこの意識はあまり変わっていない。それに、自分の容姿が周りからどう思われるのかも理解している。当主にはなるべきではない。隠居し幸せに暮らすのが一番の目標ではあるが、当主補佐として領地で過ごすのもありなのだ。だから、当主となってくれる長男はほしい。ということで、あの人にこの話をしようと思う。前あの人自身が家を継ぐのは血のつながった子供ではなくとも良いと言っていたのだ。受け入れてくれる可能性は高いと思う。今までの負い目も感じているのならいいだろう。一つだけデメリットがあるとすれば、6歳のはずの息子がこのようなことを言って来るということだ。

よし、母さんも一緒に聞いてもらおう。そうすれば、母さんパワーで押し切れる気がする。今まであまり触れていなかったが母さんはすこし…いや、だいぶポジティブなのだ。自分が死ぬ可能性があったと聞いても、「治ったのだったらよかったわぁ」とニコニコ微笑まれたし、部下から僕についての報告を聞いても「あの人と私に似て大人っぽい上に、賢いのね〜。母様鼻が高いわぁ。将来は賢者様にでもなるのかしら〜?」とまるで花が飛んでいるかのような雰囲気で頭を撫でられたくらいだ。

本当に、ポジティブなのだ。だから母さんを一緒に置くことで母さんパワーであの人も流されてくれると信じているのだ。なんだろう、なんだかいけるような気がする…。


今日の夜にでも____


________________


勉強しながら思い出すのは昨日の夜のこと。結論から言おう。母さんパワーが強すぎた。簡単に納得されたし、イチャイチャが始まった。養子のはなしも快く了承してくれた。母さんがいるだけでこうも簡単に進むのか…。

母さん怖ぁ…強ぉ…。

これで、あの二人が来ることが確定したと思う。だって、この次期にあの人が納得するレベルで養子に来れる人があの二人以外いないと思う。いたら拍手を送るよ…?

だから、僕はあの二人と仲良くなるためにいろいろ考えて置けば良いだけだ。まずは挨拶からかな…。練習しとこう。

そう思っていると、部屋の扉が叩かれる。入室の許可を出すと開かれ2人入ってくる。


「レン様、シン殿が御越しです」

『部屋に通して』

「かしこまりました。ロスト」

「はい!」


部屋から出ていったのは以前護衛として街に連れて行っていた騎士のうちの一人であるロスト。部屋に残っているもう一人はあの人との和解の後に専属護衛兼侍従となったゾイルだ。二人と、残りの騎士であるナットは僕と主従契約_主従が結ぶお互いに裏切れなくなる契約_を結んでいる信頼できる側近たちである。おそらく、ナットは外で待機しているのだと思う。

ちなみに、ゾイルは今お茶とお茶菓子の用意をしているよ。勉強も一段落ついているので軽く机の上を片付ける。

そうしてるうちにまた部屋の扉が叩かれる。


「御連れしました!」

『入ってどうぞ』

「失礼するよ」


この緩い口調で入って来たのがシンさんだ。最初の少し威圧感のあった喋り方はどこに行ったのやら、緩い。すごく。


『今日は何か用事でもあったんですか』

「いいや、会いたくてきちゃった」

『そうですか』


この調子で何を考えているかよくわからない。本当になにがしたいんだこの人。

ニコニコ僕のことを眺めてて何が楽しいんだろう。しかも、こういう理由で来たときは話したら満足して帰っていくんだよ。本当になんで…?


「レン様、シン殿。お茶をどうぞ」

「おっ、ありがとう。

ん?前より俺好みになってるよ!

クロスティ家の家臣たちは相変わらず優秀だねぇ」


ゾイルももう慣れてしまってお茶の好みもわかってしまってるし…

というか、3日に一度はお茶飲みに来るって何?

母さんの診察のついでとかならわかるけど、前に聞いたら母さんの診察のほうがついでって言われた。怖い。もう、何なんだこいつ。ショタコンなのか?ショタコンなのかよ!!


「最近どうだい?元気?

それに、旦那様が養子をとるって聞いたけど」

『何で知ってるんですか。』

「俺は、情報通だからね。その反応ってことは噂はあってるってことでいいのかな」


この人の情報網は本当に何なのだろうか。何周もしている僕よりも詳しいからおかしいと思うんだけど。


『ええ、僕がお父様に頼んだのです』

「それまたどうして?」

『だって、僕は民たちのことを背負うには少し実力不足だと思うのです』

「その年でそこまで考えられるのは十分素質があるのではないのかい?」

『僕は、この容姿でしょう。養子で入った方に当主の座を譲ってからどこかで静かに暮らしますよ』

「そちらが本題なのではないのかい?もしかして旦那様にでもそういわれたのかい?」

『そんなことはないですよ』


この人は変なところまで勘ぐるから困るのだ。


「ふーん。なら、君にでもついていって一緒にゆっくり過ごそうかな~?」

『!なんで』

「ずっと言っているだろう?君のことが気に入っているんだよ。そっちにいる二人と外にいる一人が結んでいる主従契約を結んでしまってもいいと思うくらいにね」

『冗談はよしてください』

「冗談なんかじゃないよ」


急に真面目な顔をするから驚く。


『…なら、結んでみる?』

「いいのかい!ならさっそく準備をしようじゃないか」


前向きに検討されるから驚く。というかゾイルに声をかけて主従関係の魔法契約書をもってくるように言ってるし。なんか、ゾイルもロストも進んで契約書を準備し始めてるし。なんでそんなすぐに契約書が出てくるんだよ!!おかしいよ!


「じゃやろうか」


ニコニコ笑顔で持ってくるんじゃないよ。もう指切ってるし。

もうしらない。味方が多い分には別に問題自体はないから。

目の前に置かれた契約書にはすでに僕の名前とシンさんの名前が書かれている。それがさっきの間にゾイルたちが書いたのか、それともすでに書かれたものが置いてあったのかは知らないけれど。

既に三回はやったが、主従契約を行うにはまず魔法契約書に名前を書く必要性がある。その名前の横に本人の血判を押すことでその本人が同意していることを示す。血の中に含まれる魔力によって魔法契約書に刻まれた魔法が発動するのである。それによって、主従契約の紋が刻まれることになるのだ。主従契約の紋は、複数人と契約している場合は同じ場所に出現する。僕の場合は首と背中の間あたり。ゾイルは手の甲。ロストは頬。ナットは舌。そして、今さっき終わったシンさんは足の甲が熱い感じがしたと言っていたことから足の甲だと思う。どんな法則があるのかわからないけど。


「レン君はどこにあるんだい?」

『首の裏ですよ』

「ふーん♪」

『なんですかその顔は』


自分も聞いたのだから答えないのも失礼かと思って答えたけれどなんかきっみの悪い笑みを浮かべていた。なんだかきもち((

とりあえず、裏切らない仲間が増えたと思えばこれからを考えるといいんだろう。しかも医者だし。あの人とは雇用契約のみだと話していたから、あとで自分から話すように言っておいた。

これで、少しはましな人生を送れるといいのだけれど。すこしだけ希望が見えてきたかと思うと嬉しくなった。

~裏話~

シンさんが主人公よりも詳しいことがあったりするのは、神様が加護(神託のようなものも)を与えていたりすることが原因だったりします。ロストやナイル、ゾットは神様が信頼できる人が近くによって来るようにした結果だったりします。ロストもナットも元から近くにいる存在だったけれど、本来ならそこまで信頼関係を持つ前に他の人のもとに行ったり、死んでしまったりするところを神様がいじっています。その影響もあり、主人公君に対しての好感度が上がりやすくなっていたりするわけです。

他にも、それぞれの紋章の場所にはいみがあります。基本はキスのする場所の意味からとっています。

主人公の場合は、首が「相手への執着心」、背中が「相手の愛情を確認したい」という意味からとって、この四人に対しての執着心と懐疑心を持っていることを表していてます。

ゾイルは、主人公に対しての「尊敬」「深い親愛の情」「感謝」など。

ロストは、「親愛」「愛おしさ」「守りたい」「信頼」など。

ナットは、「強い服従」「強い敬意」など。

シンは、「深い愛情」など。です。

この意味を主人公以外は知っているので、嬉しかったりするわけでした。これで、シンの変な行動の理由などは分かりやすくなったと思います。

次回もお楽しみいただけると幸いです。


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