表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/68

第九話:マコト、うなじに落ちる囁き♡

第九話:マコト、うなじに落ちる囁き♡


──♡──

その女──真希さんは、隣に住んでいる。


その朝、洗濯物の中に茜色の薄手ストールが混ざっていた。

首元を包む透け感と光沢が、すうっとうなじに触れそうな気配。

タグには「Femme Neckwisp」という文字が小さく刺繍されていた。


──♡──

「……この、感触……なんかゾクっとくる……」


藤原マコト(23)、大学院生。

目を覚ましたとき、そのストールが肩を撫でていた。

ふわりとした肌触りに「誰かの手?」と思うほど、胸がざわついた。

(いやいや、これ俺の部屋だし……)


──♡──

【通学電車】


・つり革につかまるたび、ストールがうなじにふれる。

・向かいの席の女子が、「いい匂いですね」と小声で言った。

・スマホで「うなじ美人」画像を無意識で開いている。


「そ、そんなもの俺が……見てたってこと?」


──♡──

【ゼミ控室】


・机の隅に、和精油セット(うなじ専用)の瓶が開けたまま。

・付箋に「香りの記憶を刻む♡」と書かれている。

・マスクの裏に、うっすら“桜蜜”の香りが染みていた。


「……こんなの買うわけないだろ……俺じゃ……」


──♡──

【下着】


・ショーツは淡いサクラピンク。

・背面に小さなレーストリムがあしらわれていた。

・肌触りはしっとりしていて、履いていることに気づきにくい。


「……俺、これ、本当に履いてるの……?」


──♡──

そこに現れる、隣の女──真希さん。


この日の真希さんは、淡いクリーム色のニットに、グレーのテーパードパンツ。

しとやかにストールをはらいながら、すっとマコトのうなじへ目線を落とした。


「ふふ……“首筋の香り”って、すごく記憶に残るものなのよ♡」

「えっ……違うって……!」

「でもマコトくん、もう“香られるうなじ”になってるでしょ?」

「や、やめ……見ないで……!」


「さあ、“男の終わり”の時間よ♡」

「──どうぞ♡」


──♡──

【黒服さん突入】


ドゴォォン!!

窓ガラスが割れ、黒服たちが煙と共に滑り込んできた!


黒服1「対象、首筋フェム充填率98%。香気記憶保持あり」

黒服2「下着装着状態確認。肌接触良好」

黒服3「自己意識に“香られることの快感”定着済」

マコト「ちょっ……こんなつもりじゃ……──うわぁあああぁっ!!」


──♡──

【個体データ】

•識別コード:No.009

•初期反応:首元ストールに「ゾクッとする」反応あり

•行動記録:電車内で“うなじ美人”を無意識検索

•香気同調率:桜蜜精油による他者接近3件、自己受容強度80%

•心理評価:「……いい香りって、悪くないかも」発言により転化進行中


──♡──

【数日後】


マコトは朝、ストールを首に巻くのがクセになっていた。

帰り道に、ふと耳元に香りを感じて思わず笑っていた。

友人に「いい香りだね」と言われて、自分自身が照れていた。

寝る前には、うなじに香水を直接スプレーするようになっていた。

気づけば、首筋から“記憶を刻む香り”として、自分を演出していた。


──♡──

真希さんは、小瓶の蓋をゆっくり回しながら、頬を少し傾けた。


「ね、うなじってね。最初に“香りの記憶”が宿る場所なのよ」

「……ふふ、もうすっかり“香られる首筋”になっちゃったわね♡」


──♡──

真希さんの手元のノートには、“No.009:マコト(仮)”の文字が、そっと朱色で書き足されていた。


完──“今日もまた女にしておしまい♡”


♡このお話が気に入っていただけたら──

ぜひ【ブックマーク】&【評価ポイント】で応援してください♡

真希さん、次に“香られるうなじ”になるのは──あなたかも?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ