第八話:マサト、リムーバーの香りにとろけて♡
第八話:マサト、リムーバーの香りにとろけて♡
──♡──
その女──真希さんは、隣に住んでいる。
朝、目を覚ますと、室内にほんのり甘い香りが漂っていた。
指先で触れた肌は、なぜか信じられないほどつるつるしていた。
いつのまにか置かれていた、白とピンクのチューブ──“ボディ用リムーバー”。
その日から、僕の肌に“なにか”が染みこみはじめていた。
──♡──
【デスクまわり】
・マウスの隣に置かれた、ピンク色の除毛クリーム。
・その横には「ひざ上、忘れてない?♡」というメモ。
・ごみ箱の中に、ムダ毛のついたティッシュがひとつ。
「……これ、俺……昨日、自分で塗ったのか?」
──♡──
【ソファまわり】
・クッションに残っていた、微かなリムーバーの匂い。
・読みかけの雑誌には「はじめての“すべすべ男子”」の見出し。
・リモコン履歴には、美容系YouTuberの“脚のケア講座”。
「……なんで、こんなの観てたんだよ……」
──♡──
【下着】
・身につけていたのは、ラベンダー色のサテンショーツ。
・脚の付け根がすっきり見える、ハイレグカット。
・ヒップを丸く整えるように、クロッチ部分が補正構造になっていた。
・タグには、「Silky Fem. Line」のロゴが控えめに刺繍されている。
「だ、誰が……俺が……これを、履いたのか……!?」
──♡──
そこに現れる、隣の女──真希さん。
この日の真希さんは、白のニットに、濃紺のタイトスカートという装いだった。
指先で除毛クリームのチューブをくるくると転がしながら、ゆっくりとこちらに歩いてくる。
「ふふ……除毛ってね、手間じゃなくて“儀式”なの♡」
「ちょ、ちょっと待って! これ、俺じゃないって! たぶん……!」
「でも、ちゃんと自分で塗ったんでしょう? 内ももまで、丁寧に♡」
「そ、そんなこと、言われたって……!」
「さあ、“男の終わり”の時間よ♡」
「──どうぞ♡」
──♡──
【黒服さん突入】
ドガァァァン!!
玄関ドアを蹴破って、黒服たちが煙の中から姿を現す!
黒服1「対象、除毛・保湿処理済。自己動作記録あり」
黒服2「ショーツ装着状態確認。脚フェミ比96%」
黒服3「皮膚快楽応答値、通常の約3倍に上昇中」
マサト「や、やってない! ほんとに俺、覚えてないのにぃぃぃぃっ!!」
──♡──
【個体データ】
•識別コード:No.007
•初期反応:鏡に映る自分の唇を、3秒見つめてから逸らした
•室内音声記録:「……ま、まあ……似合ってなくもない……かも……」
•所持品確認:バッグにグロス2種(無香・ピーチ)、色味の選択履歴あり
•観察結果:撮った自撮りを“消さずに保存”した時点でフェーズクリア♡
──♡──
【数日後】
マサトは、お風呂あがりに丁寧に脚の保湿ケアをしていた。
タオルで脚を包み込む仕草が、自然と“女性的な所作”になっていた。
夜になると、無意識にラベンダーの香りを探してしまう自分に気づく。
ひざ上の滑らかさをスマホで撮って、なぜか保存してしまった。
鏡の前でショーツを直すとき、ふと笑ってしまった。
──♡──
真希さんは、除毛チューブをそっと引き抜きながら、微笑んだ。
「ね、つるつるの脚ってね……最初は“気持ち悪い”のに、すぐクセになるの」
「……ふふ、“もう戻れない”って、ちゃんとお肌が覚えてるわ♡」
──♡──
完──“今日もまた女にしておしまい♡”
♡このお話、気に入っていただけたら【ブックマーク】&【評価ポイント】で応援してね♡
もしかすると──次に除毛されるのは、あなたの脚かもしれません♡