第六十六話:リョウ、“カップの仕草”で女の声を落として♡
第六十六話:リョウ、“カップの仕草”で女の声を落として♡
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その女──真希さんは、隣に住んでいる。
昼下がりの喫茶店。カップを口元に運んで「いただきます」と小さく呟いた。
その声が、思いのほか柔らかく、吐息を含んで甘えた響きになっていた。
飲み下す仕草すら、男ではなく女の優雅な所作にしか見えなかった。
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「……い、今の……俺の声と動き……?」
リョウ(仮名・28)。営業職、普段は乱暴にコーヒーを飲み干すタイプ。
けれど最近は──
「飲み方、女の子みたいに丁寧ですね」と笑われることが増えていた。
──♡──
【喫茶店】
・テーブルに「“カップは持ち上げず、撫でるように♡”」のメモ
・スプーンの先に、吐息が絡んだ跡のくもり
・紙ナプキンに残るのは、荒さではなく細い指のたたみ跡
「……俺……ただ飲んだだけのはずが……」
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【レジ前】
・トレー横に「“お会計は、囁くと女♡”」と書き込み
・お釣りを受け取った手が、無意識にすくうような女の形
・「ありがとうございます」と返した声に、息が混ざって落ちていた
「……声まで……甘くなって……?」
──♡──
【下着】
・アイボリー色のシルクブラとショーツのセット
・カップを持ち上げる仕草と連動して響きを女声に変える仕様
・タグには「CafeLace──“飲むたび女が漏れる♡”」の刺繍
「……これ着けてると……ただ飲むだけで……女に……」
──♡──
そこに現れる、隣の女──真希さん。
この日の真希さんは、薄いベージュのブラウスに、パールのイヤリング。
カップを指先で軽く回す仕草が、艶やかすぎて目を逸らせないほどだった。
「ふふ……男の飲み方って、本来は豪快なものよ♡」
「ち、違う……俺は、普通に飲んだだけで……」
「でも──さっき“いただきます”って言った声、完全に彼女の甘え声だったわ♡」
「やめろ……そんなこと……」
「さあ、“男の終わり”の時間よ♡」
「カップを持つたび、女を零してごらんなさい……♡」
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【黒服さん突入】
カランッ!
解析用マグを手にした黒服三名が突入!
黒服1「カップ持ち動作、女性型率93%!」
黒服2「発声、吐息混入率90%突破!」
黒服3「確認──ラテログ保存完了! これはもう“彼女モード”だな!」
リョウ「や、やめろっ……! 俺は……ただコーヒーを飲んだだけで……!」
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【個体データ】
識別コード:No.044(リョウ)
仕草変換率:女性型域に到達
飲用発話甘声率:85%(日常動作)
装着済み:CafeLaceブラ&ショーツセット
備考:「……“ごちそうさま”って言ったら……完全に女の声に……」本人つぶやきあり
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【数日後】
リョウは、カップを手にするたび怯えていた。
口をつける前に、仕草が女めいてしまう。
「ありがとう」と返事するだけで、吐息が甘く混ざっていた。
同僚に「声、やさしいね」と言われ、否定できなかった。
無理に乱暴に飲もうとしても、仕草の端々から女の指先が滲み出てしまった。
ふと気づくと、飲み終えたカップの縁に、女の唇跡が確かに残っていた。
──カップは、“飲むための器”ではなく、女を映す鏡”に変わっていた。
──♡──
真希さんは、リョウのカップを奪い取り、唇の跡を重ねながら囁いた。
「ね……その飲み方、もう男じゃないわ♡」
「次は……ストローで、甘え声を漏らしてごらんなさい♡」
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真希さんの手帳には、流れる筆跡でこう記されていた。
“No.045:シン(仮)──まなざし、完全に“彼女”だった♡”
完──“今日もまた女にしておしまい♡”
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「ふふ……その“いただきます”、もう女の声だったわ♡」




