第五十八話:シンジ、“まばたき”で女の視線を落として♡
第五十八話:シンジ、“まばたき”で女の視線を落として♡
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その女──真希さんは、隣に住んでいる。
夜更け。ベッドの脇に置いたスマホを開いた瞬間──
インカメラに映る自分の目が、妙に長く、しなやかに瞬いていた。
その一拍が、どうしようもなく**“媚び”にも似た余韻**をまとっていた。
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「……い、今の……俺の……瞬き……?」
シンジ(仮名・25)。趣味は映画鑑賞のSE。
無表情だと思っていた。けれど最近は──
「視線、やけに甘いね」なんて、女同僚に笑われることが増えていた。
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【寝室】
・枕元に「“まばたきは早さじゃなく、余韻で女♡”」のメモ
・スタンドライトにかけられたアイマスク、裏地にはルージュの微かな痕
・鏡台の上、保湿ミストの雫が涙のように光って残っていた
「……俺、こんな……瞬きの仕草なんて……練習した覚えないのに……」
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【リビング】
・ソファの上に「“視線はぶつけるより、流すのが女♡”」のメモ
・リモコンのボタンに、爪先で撫でたような擦れ跡
・窓際のカーテンが、誰かに見つめられて開いたように片方だけ揺れていた
「……無意識で……目線……逸らしてる……? なんで……」
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【下着】
・ネイビーブルーのシースルーブラとショーツのセット
・視線が触れるたび、透け感がふわりと変化する妖艶仕様
・タグには「EyeTone──“見つめた瞬間、女が漏れる♡”」の刺繍
「……これ着けると……視線まで……やわらかく……なってしまう……」
──♡──
そこに現れる、隣の女──真希さん。
この日の真希さんは、薄手のカーディガンにスリムパンツ。
まつ毛の揺れとともに、瞳が濡れて笑うたび、全身がぞくりと震えるようだった。
「ふふ……男の目線って、本来は突き刺すものよ♡」
「ち、違う……俺は……ただ、見てただけで……」
「でも──さっき“ん……”って目を伏せた瞬間、もう完全に“彼女の視線”だったわ♡」
「や、やめろ……っ、そんな……こと……」
「さあ、“男の終わり”の時間よ♡」
「甘える目で、落ちてごらんなさい……♡」
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【黒服さん突入】
カシャッ!
視線追跡ゴーグルを装着した黒服三名が突入!
黒服1「まばたき速度、女性型に変動確認!」
黒服2「視線流し率94%、“甘え視線”発動!」
黒服3「眼差し挙動、完全に“潤み落とし”女型パターン!」
シンジ「ち、ちがう! これはドライアイで……っ、俺は……男で……ッ!」
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【個体データ】
識別コード:No.032(シンジ)
視線変換率:女性型挙動に到達
まばたき余韻:1.4秒(通常の1.8倍)
装着済み:EyeToneブラ&ショーツセット
備考:「……俺、なんで視線……逸らすだけで……甘くなるんだよ……」本人つぶやきあり
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【数日後】
シンジは、瞬きのたびに自分の“視線”を意識してしまう。
真正面に見ることが、不自然に思えてならない。
伏し目がちに流すほうが、心臓と呼吸に寄り添うようで自然だった。
同僚から「なんか、見つめ方やさしいね」と笑われ、もう否定できなかった。
──視線は、“刺す”ものではなく、“落とすもの”に変わっていた。
──♡──
真希さんは、シンジのまつ毛を愛おしげに撫でて囁いた。
「ね……その瞬き、もう完全に“女の瞳”よ♡」
「次は……上目づかいで、“ん……”って答えてごらんなさい♡」
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真希さんの手帳には、流れる筆跡でこう記されていた。
“No.033:マコト(仮)──笑い声の余韻、完全に“女の響き”だった♡”
完──“今日もまた女にしておしまい♡”
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「ふふ……その“まばたき”、もう女の視線だったわ♡」




