第五十四話:ブラトップの段差で、女の胸になる♡
第五十四話:ブラトップの段差で、女の胸になる♡
──♡──
その女──真希さんは、隣に住んでいる。
洗濯ロープに吊るされた、くすんだベージュのブラトップ。
胸もとのラインには、指先でなぞったような“谷間の段差”が残っていた。
まるで、“昨日まで女だった証拠”みたいに。
──♡──
「……は? 俺、なんで……段差つくってる……?」
ナオト(仮名・23歳)。一人暮らし歴3年、在宅ワーク中心のイラストレーター志望。
最近、“体幹ストレッチ”のYouTubeばかり見てしまう。
やけに胸の筋肉をほぐしたくなるのは──たぶん、気のせいじゃない。
──♡──
【洗面所】
・小さく丸められたベージュのブラトップ
・洗面台の端に「バストライン育成」ストレッチメモ
・そこには「“膨らみの土台”から育てましょう♡」の文字
「これ、俺の……字だよな……? なんでこんな、女の子みたいなメモ書いて……」
──♡──
【ベッドまわり】
・クッションの間に落ちていた、着用済みのブラトップ
・スマホの動画履歴に「見せブラで作る“段差”の魅せ方」
・カメラロールには、胸もとのアップ写真が3枚
「う、うわっ……これ俺じゃん……やべ、写り方……女っぽすぎ……っ」
──♡──
【下着】
・ライトベージュのパッド入りブラトップ
・“バストを押し上げる段差設計”のワイヤーレス仕様
・タグには「SoftRise──“谷間のはじまりは、あなたの決意♡”」
「段差……これ、俺の身体で作ってたのか……しかも、“育ててた”ってことじゃ……」
──♡──
そこに現れる、隣の女──真希さん。
この日の真希さんは、白のサマーニットに、淡いラベンダーのロングスカート。
軽くかがむたびに、ニットの下から“ふんわり膨らんだ影”がちらりと浮いて──それは、まるで自然な谷間だった。
「ふふ……“ブラトップの段差”ってね、誰に見せるわけじゃないけど……女の子は、そこから“育つ”の♡」
「ち、違う……! これはあくまで筋トレで……ちょっとついた“胸筋”であって……っ」
「でもね……“少し盛れたな”って思えた瞬間から、女のブラトップになるの♡」
「お、俺、ただのユニセックスインナーだと思って……!」
「さあ、“男の終わり”の時間よ♡」
「──どうぞ♡」
──♡──
【黒服さん突入】
バシュゥゥッ!!
押し入れの奥からスライド扉が開き、黒服三名がバストプロファイル解析を開始!
黒服1「ブラトップ段差レベル、視覚評価ライン突破!」
黒服2「胸筋下部のカーブ、女性型反応あり!」
黒服3「ストレッチ回数確認、“育成型バスト”に適応済み!」
ナオト「や、やめろぉぉぉ! 胸なんてつくるつもりなかったんだよぉぉ!!ちょっと盛れてただけでぇぇ!!」
──♡──
【個体データ】
識別コード:No.054(ナオト)
段差発現率:87.4%(自撮り時)
ブラトップ使用歴:連続着用4日
装着済み:SoftRise段差設計モデル
備考:「……ちょっとだけ、膨らんだの……自分でも、嬉しかったんだよ……」発言あり
──♡──
【数日後】
ナオトは、洗濯のたびにブラトップの“カップの丸み”を気にするようになっていた。
体幹トレーニングでは、胸を開くポーズばかり繰り返してしまう。
Tシャツの下でも、ラインがほんのり浮き上がる瞬間に、ときどき心がざわめく。
着替えのたび、鏡の前で“確認する動作”が、まるで“育てたものを見る”ようになっていた。
……それはもう、“男の胸”ではなかった。
──♡──
真希さんは、そっと胸もとの生地を指で整えながら、微笑んだ。
「女の子のバストってね……“あるかないか”じゃなくて、“育てたいかどうか”なの♡」
「次は……リップグロスにしましょうか。“艶で誘う唇”って、覚えちゃうと戻れないのよ♡」
──♡──
真希さんのリストには、こう記されていた。
“No.055:ユウキ(仮)──“潤んだ唇”で、お願いの声が変わった♡”
完──“今日もまた女にしておしまい♡”
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♡評価・ブクマ・感想、お待ちしてます♡
「段差ってね……“あなたが胸になってく”途中の証なの♡」




