第五話:ハルオ、ふとももに宿るフェム因子♡
第五話:ハルオ、ふとももに宿るフェム因子♡
──♡──
その女──真希さんは、隣に住んでいる。
朝起きると、部屋着のショートパンツが、いつの間にか脚にぴったりと沿っていた。
すそから覗く太ももが、妙に“すべすべ”して見える。
けれど、それよりも怖かったのは──それを自然に受け入れている自分だった。
──♡──
「……なにこれ。俺の脚……ほっそ……」
阿部ハルオ(31)、独身、趣味は筋トレとFPS。
いつもならムダ毛すら惜しまない男脚が、今朝に限って、まるで“女の子の脚”になっていた。
指でなぞると、つるん。違和感よりも──触り心地の良さに動揺した。
(ちょっ、これ誰の脚……俺、脱毛なんか──してないのに……!)
──♡──
【洗面台】
・T字カミソリに、ピンク色のボディソープがべったり付着。
・「お風呂のあとが“狙い目”です♡」と書かれたメモ。
・排水口に、見慣れないほど繊細な毛が集まっていた。
「う、うそだろ……? 昨日、俺、何してた……?」
──♡──
【ベッドまわり】
・サイドテーブルに置かれたボディミルク(“ふともも専用”の文字)。
・タブレットには「美脚のつくり方」動画が開いたまま。
・スマホの検索履歴に「スカート 似合う 脚 男」。
「ちがっ、俺じゃない、俺じゃないって……! たぶん……」
──♡──
【下着】
・身につけていたのは、淡いミントグリーンの総レースショーツ。
・ウエストは低め、ヒップを持ち上げるようなリフト設計。
・脚ぐりのカットが高く、太もものラインがむき出しになるタイプ。
「……これ、完全に見せるためのデザインだろ……!」
──♡──
そこに現れる、隣の女──真希さん。
この日の真希さんは、黒のニットトップスに、グレーのプリーツスカート。
風にスカートの裾が揺れるたび、ふくらはぎがちらりと光った。
「うふふ……ハルオくんの脚、すっごく仕上がってる♡」
「な、なに言って──俺、そんなつもりじゃ……!」
「ねえ、ちょっとスカート合わせてみる? 絶対かわいいと思う♡」
「ちょ……冗談キツすぎるって!! 俺は……男、だから──!」
「さあ、“男の終わり”の時間よ♡」
「──どうぞ♡」
──♡──
【黒服さん突入】
ズドオオォォン!!
床下から突き破って、黒服たちが跳ね上がるように飛び出してきた!
黒服1「対象、下着“自己装着”状態。抵抗なし」
黒服2「脚部:除毛・保湿処理済。接写適正高し」
黒服3「女子化進行度:視線を浴びる快感へフェーズ移行」
ハルオ「ちょっ、これ昨日の風呂で……そんなつもりじゃ──うわぁあああぁっ!!」
──♡──
【個体データ】
識別コード:No.005
•初期反応:太ももを見下ろして「……なにこれ。俺の脚、ほっそ……」と呟く
•動作記録:スマホで“スカート 似合う 脚 男”を検索
•環境ログ:排水口に除毛痕あり/タブレットで「美脚のつくり方」動画再生履歴
•心理評価:「……今日も、ちゃんと綺麗に見えてるかな」と独語。フェム自己演出フェーズへ移行済♡
──♡──
【数日後】
ハルオは朝、太ももにミルクタイプの日焼け止めを丁寧に塗っていた。
短めのショートパンツが、もはや“勝負服”になりつつある。
電車の中で視線を感じるたび、脚を揃える仕草が自然に出てしまう。
気づけば、鏡の前で脚をチェックするのが習慣になっていた。
「……今日も、ちゃんと綺麗に見えてるかな」と、心のどこかで思っていた。
──♡──
真希さんは、そっと脚を組み替えながら、視線をハルオの太ももにすべらせた。
「ね、脚ってね。最初に“他人の目”を受け入れる場所なのよ」
「……ふふ、もうすっかり“見られる脚”になっちゃったわね♡」
──♡──
真希さんはページの余白に、“No.091:ジュン(仮)”の名を、淡く丸文字で記録していた。
完──“今日もまた女にしておしまい♡”
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今夜、真希さんが──あなたのふとももを見にくるかもしれません……。