第四十三話:ユウマ、“吐息”が牝ボイスになってた♡
『隣の真希さん』
第四十三話:ユウマ、“吐息”が牝ボイスになってた♡
──♡──
その女──真希さんは、隣に住んでいる。
深夜の作業机。あくびをかみ殺そうとした瞬間、マイクがふわりと反応した。
録音中の“吐息”が、ヘッドホン越しに妙に甘く聞こえた気がして──
自分の声に、思わずゾッとした。
──♡──
「……いやいや、ただのノイズ……声なんか、変じゃ……なかったよな……?」
ユウマ(仮名・22歳)。動画編集バイトをしている大学生。
ナレーションやSE収録の際、自分の“吐息”に妙な色気が混ざるようになってきた。
──最近、マイクの前で“息を整える時間”が、やけに長くなっている。
──♡──
【机まわり】
・コンデンサマイクとポップガード
・「発声調整ログ」には「吐息を入れるだけで色っぽくなる」メモ
・イヤモニの中には、“自分の息”だけを録音したファイルが複数保存
「……これ、誰が聞くんだよ……ていうか、なんで俺、自分の息……何回も録ってんの……?」
──♡──
【バスルーム】
・喉ケア用のスチームミスト
・マイク前でつけていた“口紅型リップバーム”が洗面台に転がっている
・鏡の前には「フェミニンボイス練習メモ」──“高音→囁き→吐息”の順
「うそだろ……? 俺、吐息だけで……声、抜けるほど色っぽくなってんの……?」
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【下着】
・スモーキーグレーのフロントレースショーツ
・お腹下部を軽く締めることで、息を吐くたび下腹部がわずかに動く設計
・タグには「VOCALMUSE──“音の震え”が色気をつくる♡」
「……やば……この下着つけると……息がふっと抜けて、めっちゃ……声、甘くなる……」
──♡──
そこに現れる、隣の女──真希さん。
この日の真希さんは、ゆるめのVネックニットに、光沢のあるサテンパンツ。
囁くような声で「こんばんは」と言ったその瞬間──息だけで、耳がゾクッとした。
「ふふ……女の子ってね、“吐息”で誘惑するのよ♡」
「ち、違……っ! 俺、ただ声録ってただけで……!」
「でもさっき、息を吐いた瞬間……ちゃんと甘く、揺れてたわ♡」
「っ、うそ……っそんなこと……」
「さあ、“男の終わり”の時間よ♡」
「──どうぞ♡」
──♡──
【黒服さん突入】
ピィ──ン!
集音マイクを構えた黒服三名が、音もなく突入!
黒服1「吐息波形、フェム周波数帯に変調確認!」
黒服2「無自覚ボイス振幅、女声レベルと完全一致!」
黒服3「発声リズム、艶鳴きフェーズへシフト中ッ!」
ユウマ「ちょ、やめっ……っ! 俺の声じゃないって! 俺は、ただ息が……っ!」
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【個体データ】
識別コード:No.035(ユウマ)
声帯波形感度:89.4%(囁き吐息時)
録音再生回数:22回(自分の声を繰り返し確認)
装着下着:VOCALMUSE(音響連動タイプ)
備考:「声が……こんなに柔らかいの、俺じゃない……でも、気持ちよくて……」と囁きあり
──♡──
【数日後】
ユウマは、声を録るたび“自分の吐息”を残すようになっていた。
台本を読んでも、いつの間にか語尾が甘くなる。
再生すると、そこには──“男の声じゃない、誰か”が囁いていた。
録音ボタンを押すたびに、少しずつ“彼女の声”が近づいてくる。
今ではもう、その声でしか──気持ちよくなれない。
──♡──
真希さんは、ヘッドホンをそっと外して、微笑んだ。
「声ってね……“甘くなる”と、自分のこと、許せるようになるの♡」
「次は……背中、触ってみましょう。“撫でられる”と、女になるから♡」
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真希さんの手元のリストには、こう記されていた。
No.036:リク(仮)──背筋の撫で、もう完全に女肌♡
完──“今日もまた女にしておしまい♡”
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「息が甘くなるって……もう“誘ってる音”なのよ♡」




