第三十九話:セナ、“うなじストラップ”に首ったけ♡
第三十九話:セナ、“うなじストラップ”に首ったけ♡
──♡──
その女──真希さんは、隣に住んでいる。
洗面所の鏡の前。
ドライヤーの熱で浮かびあがった髪の隙間から、白いうなじが覗いていた。
濡れたままの肌には、細いストラップが斜めにかかっていて──
まるで、“見せるための首”だった。
──♡──
「……な、なんで俺……ストラップ、つけてんの……?」
セナ(仮名・22歳)。美容専門学校の学生。
最近“ヘアアレンジの授業”にやたら気合いが入りはじめている。
鏡を見るたび、気になるのは……後ろ姿。
(うなじ、ちゃんと見えてるかな──)
──♡──
【洗面所】
・細身の黒ストラップがかかったヘアバンド
・結い上げられた後ろ髪に残る、ピンの跡
・メモには「うなじは、見せる“パーツ”よ♡」
「は? なんだこれ、俺の字じゃん……いや、こんなメモ書いた覚え、ないけど……?」
──♡──
【ベッドまわり】
・スマホのカメラロールに“うなじ自撮り”が5枚
・うち1枚、背景に“ハートマークの手鏡”
・頭上に落ちていた、細いキャミ紐の跡がついたネックレス
「自撮り……してたのか、俺……? いや、でもこのライン……めっちゃ綺麗に見える……」
──♡──
【下着】
・うなじにリボンが結ばれる、バックリボンキャミソール
・肩紐は極細のストラップ仕様
・タグには「NapeHooked──“後ろ姿”に恋をする♡」
「……うそ、なにこれ……後ろから見たら、完全に女じゃん、俺……」
──♡──
そこに現れる、隣の女──真希さん。
この日の真希さんは、スリット入りのネイビーキャミに白のニットカーディガン。
肩をすべらせるように羽織るたび、うなじのラインがふわりと浮かびあがっていた。
「ふふ……後ろ姿、“男のフリ”できてなかったわよ♡」
「ち、ちがっ……これはあくまで美容の……技術練習であって……!」
「でもね、うなじってね、“見せられる女”だけの特権なの♡」
「そ、そんなこと言われても……じゃあなんでこんな……っ」
「さあ、“男の終わり”の時間よ♡」
「──どうぞ♡」
──♡──
【黒服さん突入】
バシュゥゥッ!!
鏡の裏からスライドドアが開き、黒服三名がうなじ認証スキャン発動!
黒服1「うなじ露出角度、完全女性型に移行済!」
黒服2「後毛処理済み、ストラップ装着位置一致!」
黒服3「バックリボンキャミ着用時、視線誘導率117%を記録!」
セナ「ちょ、やめろっ、うなじはやめろっ!!これただのヘア練習だから!!違うってばあぁぁっ!!」
──♡──
【個体データ】
識別コード:No.039(セナ)
うなじライン維持率:94.2%(ヘアアレンジ時)
自撮り回数:計7回(うち後ろ姿5枚)
装着済み:バックリボンキャミ(視線誘導仕様)
備考:「……後ろから見た俺、たぶん……誰も“男”って思わない……」発言あり
──♡──
【数日後】
セナは、授業後の帰り道、うなじに風が当たる感覚が妙に心地よくなっていた。
ポニーテールの高さやストラップの角度に、やたらと神経を使ってしまう。
気づけば、自分の後ろ姿を──鏡越しにチェックする癖がついていた。
“隠すため”ではない。“見せたくなる”からだった。
──それがもう、“男の後ろ姿”じゃないと、知ってしまったから。
──♡──
真希さんは、肩にストラップを指でなぞらせながら、やさしく微笑んだ。
「うなじって、ね……“女の背中”の始まりなのよ♡」
「次は……ブラホックにしましょうか。“誰かに外される”後ろ姿も、似合うから♡」
──♡──
真希さんのリストには、こう記されていた。
“No.040:コウジ(仮)──“ホックの音”で、腰が揺れてた♡”
完──“今日もまた女にしておしまい♡”
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「うなじってね……いちばん無防備な“女の入り口”なの♡」




