第十二話:シンヤ、レンズの奥でとろけて♡
第十二話:シンヤ、レンズの奥でとろけて♡
──♡──
その女──真希さんは、隣に住んでいる。
放課後の部室。
窓際に置かれたカメラの上に、一本のグロスが転がっていた。
半透明のボディ。淡くピンクにきらめく中身が、光を吸い込んでいる。
レンズキャップの隣──まるで“誰か”が意図的にそこへ置いたかのように、ぴたりと整っていた。
──♡──
「……ピント、合ってない……?」
冴木シンヤ(17)、写真部所属。
日曜の撮影会、夜の現像作業、三脚の高さやF値にこだわる日々。
シャッターを切る指の動きで、自分の心を整えてきた。
──けれど最近、思わず視線を逸らしたくなるような“被写体”が、部室に現れることがある。
──♡──
【洗面所】
・三面鏡の前に置かれた、まつげコームとコットンパフ
・シンヤのジャージの袖にうっすら残るファンデの跡
・「毛穴レス補正♡」と書かれた白パクト
「……なんで俺、下地まで使ってんだよ……いやでも、肌綺麗って言われたし……」
──♡──
【自室】
・カメラバッグの中にこっそり仕舞われたミラー付きポーチ
・USB隣のポケットには、ラメ入りのアイシャドウパレット
・保存されたフォルダには、“初めて塗った日”の自撮りが一枚だけ
「うわっ……誰だよこれ……って俺じゃん!?目……ぱっちりしすぎだろ……」
──♡──
【下着】
・胸板にフィットする、チューブタイプのピンクブラ
・ストラップなしでも安定感がある、写真部用“見せない工夫”
・「レフ板より、こっちの方が光を集めてくれるのよ♡」とメモ書き付き
「……そんなバカな……でも確かに、今日のポートレート……やたら綺麗だったんだよな……」
──♡──
真希さんは、白いシャツワンピースの上から、ラベンダー色のカーディガンをふわりと羽織って現れた。
その指先が、まるで確かめるように、シンヤの肩をすっとなぞった。
「ねえ……その肩、ほんとうに可愛くなったわ♡」
「……やめてください。こんなの、全部……写りのせいで……」
「ふふ、そうやってまたレンズ越しに逃げるのね?」
「ち、違いますっ……俺は、撮るほうで……!」
「さあ、“男の終わり”の時間よ♡」
「──どうぞ♡」
──♡──
【黒服さん突入】
ガチャッ!!
部室のドアが開き、三脚片手に黒服3名が突入!
黒服1「チューブブラ確認、発育進行良好!」
黒服2「鎖骨の浮き+肩幅縮小──女性化比率85%!」
黒服3「メイク残痕アリ、撮影された側にも女性性誘発の痕跡ッ!」
シンヤ「や、やめろぉぉっ……これはアートなんだよぉぉ!!」
──♡──
【個体データ】
No.040:冴木シンヤ
年齢:17歳
職業:高校生(写真部)
変化部位:肩幅・鎖骨・胸部輪郭
使用アイテム:ノンストラップブラ(ピンク)
備考:レンズ越しにしか見えない“被写体”が、増えています
──♡──
【数日後】
シャッターを切るたび、自分の“なか”の輪郭が変わっていく気がする。
レフ板越しの光よりも、胸元のハイライトがきれいに映る。
撮られることにも、ちょっとずつ慣れてきた。
でも──自撮りだけは、まだ恥ずかしくてできない。
いつか、そのレンズの向こうで“ほんとうのわたし”を撮ってくれる人に出会えたら。
──♡──
真希さんは、レンズキャップをそっと閉じて言った。
「うふふ……女の子の“撮られ方”、もう覚えちゃったのね♡」
「次は、ふんわり光を拾うシフォンのブラウス、用意しておくわ♡」
──♡──
真希さんの手帳には、小さなレンズ拭きの紙とともに、こう書かれていた。
No.041:アユミ(仮)──ピントは合っていたのに、頬が赤くなっていた♡
完──“今日もまた女にしておしまい♡”
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つぎの“変化”が、きっとあなたのそばにも──。




