第十話:アユム、ブラ紐に導かれて♡
第十話:アユム、ブラ紐に導かれて♡
──♡──
その女──真希さんは、隣に住んでいる。
昼下がりのベッドサイド。ふと見れば、掛け布団の端に、白い“それ”が引っかかっていた。
細いストラップ。光沢のある伸縮素材。よく見れば、肩にかけるタイプの──ブラジャーの紐だった。
けれど、俺は一人暮らし。こんなもの、あるはずがない。
──♡──
「え、……まさか、これって……」
アユム(仮名・26)。夜勤もあるコンビニ店員。
不規則な生活に疲れたまま寝落ちた翌朝、なぜかシャツの襟から、それがひょろっと覗いていた。
(……ちがう、いや、これは……その、なんで……俺の肩に……)
──♡──
【ソファ・小物棚】
・アームレストに脱ぎかけのピンクブラ
・棚に置かれた「肩から見えてもOKなストラップ特集」雑誌
・その隣には、「やわらかい身体のつくりかた」DVD BOX
「……こんな特集、誰向けだよ……てか、なんで俺の部屋にあるんだよ……!」
──♡──
【冷蔵庫・洗濯カゴ】
・冷蔵庫に貼られたメモ「今日のストラップ、少し見せていこう♡」
・洗濯カゴに自分のシャツと一緒に入っていたレースブラ
・それが妙にぬくもりを帯びていたことを、黙っておきたかった
「っ……これ、誰かが……いや、これ俺のじゃないって……よな……?」
──♡──
【下着】
・ブラとショーツ、上下ピンクのセット。すでに身に着けたあと
・肩からずれて覗く、レースの紐に妙な“馴染み”があった
・タグには“Flare fit”──「動くたび、女の子のラインで揺れる」
「これ、いつから……いや、俺……自分で……?」
──♡──
そこに現れる、隣の女──真希さん。
この日の真希さんは、ベビーブルーのカシュクールワンピースに、白のカーディガン。
ソファの背に手をかけ、アユムの肩元にそっと視線を落とした。
「ふふ……ブラ紐ってね、最初に“女の仕草”が覗く場所なのよ♡」
「ちょ、やめっ、見ないでっ、ほんとに俺は──!」
「見られるって、快感なの。ね……もう知ってるでしょ?」
「や、やだっ……やだ、やだってば……っ!」
「さあ、“男の終わり”の時間よ♡」
「──どうぞ♡」
──♡──
【黒服さん突入】
バァァァン!!!
突如ベランダから侵入した黒服3名、淡く舞うカーテンを踏み越えて着地。
黒服1「ストラップ視認。前日比1.3cm外側に露出」
黒服2「下着装着済。タグ識別一致。“Flare fit”仕様」
黒服3「肩を押さえる仕草複数回確認。“気づいて見せてる”可能性あり」
アユム「ちょっ、やだ、やめろぉっ! 俺は──ただ肩が寒くてっ!!」
──♡──
【個体データ】
識別コード:No.010(アユム)
肩紐の違和感スルー日数:3日
恥じらいの露出回数:6回(うち自室2回)
自発的リセット意志:なし
最終設計構想:視線反応型“フェム受信機”(非売品)
備考:「紐、ちょっとずれてた?」と自問した形跡あり
──♡──
【数日後】
アユムは、朝の身支度の中で“紐の位置”を調整していた。
鏡の前で、カーディガンを羽織る際、わざと片側だけずらしてみる。
職場の女の子に「見えてるよ」と笑われて、心臓が跳ねた。
けれど、何も言い返さずに、うつむきながら直すフリをした。
それが「見せること」だったと、自分で気づいてしまったのは──その夜だった。
──♡──
真希さんは、指先でそっとストラップを撫でる。
「ね、紐一本で、人ってこんなに変われるのよ」
「……ふふ、“次”は、背中側ね。ちゃんとホック、留めてあげる♡」
──♡──
真希さんの手元のノートには、
“No.011:ユウタ(仮)”の文字が、朱のインクで丁寧に記されていた。
完──“今日もまた女にしておしまい♡”
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「うふふ……肩、見せて? もう“見られること”に慣れちゃったんでしょ?」




