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語られる物語とその内情には温度差があるのだ。 2-2


「ではこうしましょう!」


姉様が名案を思い浮かべたらしく…

ええとクイーンの駒を取られると人質として囚われている私が、

「酷い目にあうぞー」的な後付け設定が組み込まれたのだ。

まさしく侵略使者として「悪」を体現するに値する情景だとかで?

クイーンの駒を取られそうになった旦那様はその駒を、

私と思ってしまい守るために自身を投影した

キングを犠牲にする采配をする事にして、


「ええと?「ミルマーヤユルシテクレキミヲギセイニナンテデキナイ」」

「おお!愛があふれるシーンだ」


キングの駒を取られると言う失態を犯してしまったことになったのだ。

その妻に対する「愛」に心打たれたギルグレイザー王子はこの勝負を、

勝利したのであるが戦勝国として代官を立てて統治させるつもりだった、

フルートルゥフ家は愛があるとして領地はカラード伯爵が、

そのまま統治し続ける事になったのだ(予定調和)。

そして侵略軍は国境の境として目星を付けていた川岸に何故か大量に、

伐採された木や砕石を使って簡易的な城壁までとはいかずとも、

それなりに立派な壁を創り上げてしまったのである。

流石「侵略に慣れた兵士達」だ。

あっという間に作りあげ防衛部隊が来るまでに一つの町が、

国境とされた川沿いに生まれる事になる。

…自薦準備を物凄いしていた事と人海戦術によって王家に、

裏切りが知られる頃にはレーゼルバルトとフルートルゥフの守りは、

完璧に整えられてしまっていたのである。

それから人員整理としてフルートルゥフを捨てて、

グランユールに戻りたいと願い出た領民達は引き止める事もせず、

見送りする事によって反乱分子の排除は徹底的におこなった。

とはいえ…グランユールが内部分裂寸前であったことから、

危険なグランユール王国に戻りたいと考えている領民は、

ほとんどおらず新しい体制で所属先が変わっただけなので生活に、

ほとんど影響も出ずレーゼルバルト経由で仕入れていた、

ガファッシャルドからの品々に置き換わるだけだったのである。


侵攻を受けて半年もたたないうちに第一次グランユール連合王国内で、

分裂が始まったのだ。

もうフルートルゥフとレーゼルバルトに関わっていられない時代になったのだ。

王家は形を変え名を変え4つの勢力に分岐する結果となった。

…時期も悪かったんだろうなぁと思いつつ、

私はこの「物語」の推移を見守っていた。

転生した事はともかくとして、

どっかで聞いた事のある国名がチラホラとあったのだ。

それを今更どうこう言うつもりは全くなく。

グランユール連合王国はこれから混乱する事になる。

そもそもこのグランユールと言う国は大国に挟まれているために、

両国に潰されない様に国土を守るために結成された王国であったはずなのだ。

北側にはオースヴァイン王国と言う大陸の中心を領土とする大国が抑え、

南側をガファッシャルド王国は海に隣接する海洋国家の側面もある。

東と西は険しい山脈に挟まれた土地柄であり、

私達の実家であるレーゼルバルド家は南側にあるガファッシャルドに対しての、

防衛を一手に引き受ける公爵家となっていたのだ。

一国を一公爵家に指揮させて防衛させているからこそレーゼルバルト家は、

特別扱いをされていた部分は多々ある。

けれどここ数年ガファッシャルド王国は大人しかった。

レーゼルバルトを攻略してでもフルートルゥフを手に入れなくとも良いほど、

食糧事情が改善したとかなんとか。

交易に成功したらしい自由商業都市ギネヴィアなる所と交易を始めて、

足りなかった食糧事情が一気に改善した所為でもあるみたいで。

私達が生まれた時期には大規模攻勢などあまりしてこなくなっていた。

なんでもその都市ギネヴィアから交易商人として来た商人がとても愉快な人で、

その人の影響でギルグレイザー王子は「そうなってしまった」みたいなのだ。

そのお陰で姉様との相性がぴったりになった?のだから、

その商人さんには感謝しなくちゃいけないのかもね?

ギルグレイザー王子はその自身のお名前を

そんなに好きではなかったみたいなんだけどね?


「悪には悪の正義がある。それに相応しい名ではないかな?

いい。実にいい。悪と言われようとその中にある大義は行動でしか示せない。

何時かギルグレイザーと言う名が知れ渡った時「悪の正義を貫いた漢」として、

語られる事こそ誉れではないかな?」


その言葉に感銘を受けたギルグレイザー王子は色々な地方で暴れ回ったそ~だ。

悪を持って不正を正し行動を持って大義を示し続ける事をし続けているのである。

王太子と第2王子は苦笑い。

だが…バランスの取れた王国になってしまったのである。

どうにもこの「やり手」なのか解らない商人が怪しすぎて警戒するべきじゃぁ、

ないのかなと思っても、それを考えるのはガファッシャルド王家なのだ。

がんばってぇくれ。

そして北の大国であり何時でも領土拡張しようとしていた

オースヴァイン王国の動きが鈍く侵攻の気配をみせていなかった事も、

グランユール連合王国内側へと兵士を向けさせる転機となっていたんだろうなぁ。

国境線を押さえる最小限の戦力だけを確保してって考えで。

オースヴァイン王国側の連合王国の防衛線はレーゼルバルトとは違って、

複数の国から選出された連合軍だから更に厄介で…

オースヴァイン王国が兵を減らせばそれに応じて複数の王家がこぞって、

兵士を先んじて引き抜くようにしていたからねー。

当家はそりゃーもう一枚岩ですから。

その役目を絶対にやめられないからね。

んで姉様と私がそれぞれにレーゼルバルトを支える立場に嫁いで、

グランユールを支えるはずだったのにね?

いまや城壁の向こう側は地獄の戦場の有様ですよ。


あの平民出の女生徒。

名前は…ああ確かミトラ・ネールだったかな?

第2王子パックル・グランユールと一緒になって、

遂に人々は皆平等なのです!と言って近隣の村から男性を連れ出して、

戦争用の兵士に仕立て上げてるけど大丈夫なのかね?

まぁ王太子と貴族連合に敵も分裂してくれたけどさ。

そのミトラの暴走を持って市民大革命軍が結成されたわけなんだけど。

うわぁ…泥沼ぁ…


ミトラ・ネール…

ん―――

いや、あ、そうだ。思い出してきた。


―ドキドキ。王子様がいっぱい!私はシンデレラガールなの?!―


そんなタイトルのゲームの主人公がミトラって名前だった気がする。

それを思い出してもあんまし意味は無く…


「紅茶は美味しくなりました。

姉様にご判断していただきましょうか?」

「まだ出せるレベルになっていないと思うけど?」

「そうでしょうか?カラードのお口は評価が辛くなっていませんか?」

「いい物を作りたいからね」

「ではもう少し我慢しましょう」

「うん」


今日もフルートルゥフ家は平和でのんびりとした時間が流れるのである。


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