身内バレした黒歴史に絶望するしかないのである。7-1
「今日のコーヒーは苦いのですぅ」
「苦いの!ミルクが欲しいの~」
「そーだねぇ」
「ね~」
え?紅茶じゃないのかって?
そりゃー理由はただ一つだよ。
悪の女じゃなかったルフェリナ姉様の合格が出たから、
今度は別の物を作ろうかって事になったのだ。
そんな新しい産業の成果を確認しつつ私とカラードは何時もの様に、
お茶の時間を過ごしていたのだが…
「や、やめろ!やめてくれ~」
「あはははは~やめて上げませ~ん」
「ぐるしい!ぐるしい~」
「我慢するのですよブレイブライダー!いいえレイーン王女」
「目覚めの時なのです!」
「俺はっ!俺は洗脳には屈しない!」
「ならもっと締め上げて差し上げますわぁ」
「ぐぉぉぉぉ」
コルセットを宛がわれ腰を絞り込まれて悲鳴を上げるブレイブライダー。
長いロンググローブにふわりと広がったスカート。
メイド…じゃなかった悪の組織の施術要因である者達に
今ブレイブライダーは拷問を受けているのだった。
とっても愛らしいレイーン姫にトランスフォームと言うか
変形(戻されている)改造されているのだから苦しいのは仕方がない。
ええと?今フルートルゥフでは一つのイベント?が進行していた。
なんとガファッシャルド王国の港湾都市を守っていた、
勇気の騎士ブレイブライダーが地獄からの使者ギルグレイザーに
捕まってしまっていたのだ!
何と言う事なのだ!
私は当然驚いたのだけれど、悪の組織の罠に捕まってしまった、
ブレイブライダーを助ける事は一貴族でしかない私達には出来ないのだ…
こんな時に…私にも力があれば…こんなイベンドを見続ける事は無くて、
助ける事をしたかもしれないけど、
残念な事に一伯爵夫人でしかない私に力がないから仕方ないね。
なくてよかったよ巻き込まれずに済んだのだら。
あ、因みに先月よりOldnestにはガファッシャルド王家から使用人が、
更に呼び込まれ王族が纏うクッソ重そうで頑丈に作られたドレスが、
大量に運び込まれていたよ。
そのタイミングで私とカラードは私の実家であるエリーシェ義姉様に
呼び出されたのだ。
「久しぶりですねミルマーヤ」
「はい!義姉様も元気そうで何よりです」
その義姉様の笑顔を見れただけで私も嬉しくなる。
けれど同時に姉様から、
知っているけれど知っていてはいけない事になっている真実を、
この日を解禁日として教えらる事になったのだ。
「ええと、知っての通りガファッシャルド王国には3人の王子が…
その、ええと、います…ね?」
「はい!3人の王子がいらっしゃいますね!」
私は当然その事実を「知っていなくてはいけない」ので当然義姉さまの、
問いに「はい」って返事をするのである。
ええ!姉様は間違った事はしていないのですから。
「それが…ですね…ええと?
港湾都市を治めるバーン王子が…お怪我をしてしまいまして…」
「まぁ!それは大変ですね!」
「そ、それでそれを助けたのが「悪の女幹部ルフェリナ」だったらしいの」
「へ、へぇ…そうなんですか…
え?第3王子妃ルフェリナ姉様ではなくて?」
「そ、そうなの…「悪の女幹部」だったの」
あ、それはヤバい。
少し前の話。
王宮戦隊シャイニングセイバーズの手によって王都の悪は裁かれてしまった。
まぁ悪なんてポコポコ生えてくるような物だからモグラたたきのゲームみたいに、
地獄からの使者達は競い合ってお掃除をしていたのだけれど…
そのお掃除をしながら悪の組織はダークネストは支社を
ガファッシャルド王国全体に展開して全国ネットを創り上げたのだ。
情報は鮮度が命だからね!
国内外のネットワークは強化するべきなのよと言いながら。
それで多分港湾都市にも作ったのでしょうよ。
その位は私でも想像できるの。
ルフェリ…違う悪の女幹部ならその位はするでしょうし。
で…
「バーン王子を悪の女幹部が助けた」って言うのが問題なのだ。
これは…公然の秘密?である
ブレイブライダーの正体がバーン王子であると言う事実が、
「悪の女幹部ルフェリナにバレてしまった事になった」って事なのだろう。
どういった形でバレたのか解らないけれどそれは非常にまずい事なのだ。
あくまで正体はバレていない事と言う前提があってこそ、
ブレイブライダーは輝けるのだから。
それが正体をばらす事になってしまったらもうブレイブライダーを第2王子は、
続けられない事になってしまうのだ。
…私は続けなくても良いと思うけどね。
第2王子であることが悪の女幹部にバレた事で大人しくするべきだと思う。
まぁ年貢の納め時なのかもしれないねーって事だったのだけれど…
そのまま悪の組織の根城であるDarknest港湾都市支社に運び込まれてからが、
とっても大変な事になったのだ。
ウ、ウワーダイ2オウジダッタブレイブバーンオウジハオンナノコダッター
と言う事もバレたのだ。
いやみんな知っているけれどバレたのだ。
ガファッシャルド王国の王家は実は公然の秘密がある。
それは王子は二人で王女が一人なのだ。
けれど王女は成人するまでは王子として扱う事が決まっていて、
後継者候補としてもガファッシャルドでは生まれた順になる。
シャイング王太子→ブレイブバーン王子→ギルグレイザー王子の、
順番と決まっているのだ。
なので王太子のスペアとして育てられた第2王子ブレイブバーン王子は、
男として教育も受けている。
もしもシャイング王太子に何かあれば次はブレイブバーン王女が王位につき、
女王が誕生する事になるのだ。
それで何の問題もないのだけれど…
困ったちゃんな事にブレイブバーン王子は王女に戻りたくないらしい。
わかる。解るよその気持ち。今まで王子として振舞ってきたのだから、
そのまま王子として振舞いたいよね!
でもたぶん国としては許してくれそうもないよねぇ…
「それで王室からご意見を戴く事になってね?
ブレイブライダーとして正体のバレてしまったバーン王子は、
悪の組織によって改造されてしまって「女の子」になってしまったの?よ?」
「へ、へぇ?」
うん…
アリーシェ義姉様の疑問はよくわかる。
解りたくないけれど解ってしまう。
つまり現実と辻褄を合わせる演劇をしてほしいと「王家」から
直々に頼まれて手紙まで送って来たって事なのだ。
あ、頭が痛い。
「ね、義姉様はこの王家からの提案をお受けになるのですか?」
「ガファッシャルドの貴族としてはお受けするべき事なのだけれど…
そのね?恥ずかしいのだけれど「悪の組織」って何なのかしら?
「ブレイブライダーの正体」て何?
王家をお助けしたくとも私には何をすれば助けた事になるのか…
それでルフェリナに相談したらミルマーヤが詳しいからって」
「…そーでしたかぁ…私は詳しいんですねぇ…」
「え?違うの」
「く、くわ…
詳しいなんて言いたくない。
アリーシェ義姉様の前では普通の伯爵夫人でいたい…
何?何なの?!?この身内バレしたくないアブノーマルの作品を、
隠しておいたのに実の姉からばらされる状況?!?
社交かいとは嘘と張ったりで乗り越える者でしょうけれど、
その嘘も張ったりも封じられて事実を述べよと?
ルフェリナ姉様…それはあんまりです。
なまじガファッシャルドには戦隊とライダーと悪の組織がいるから、
調べられればきっと私の名前にたどり着く事も考えられるけれどさぁ…
もう何が公然の嘘で何が事実と言う名の嘘なのか変わんなくなってくる。
でも悪の女幹部であるルフェリナ姉様は公然の事実として別の人だから。
その嘘と事実を両方知るのは私な訳で…
フルートルゥフ伯爵夫人である私は悪の女幹部を知らないけど知っている。
貴重な存在なのだ。
くわしいですぅ…」
完敗だった。
もー断れないし知らない事に出来ない…
ああ、アリーシェ義姉様の私の印象が愛らしい妹から変わってしまうぅぅ…




