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会社でドキドキする話

作者: ピチャ

 わ、私の机に可愛い付箋が。

外仕事から戻ってきたら、私のデスクに可愛い付箋が貼ってあった。

正直ドキッとする。バレンタインにチョコをもらったりとか、靴箱にラブレターらしきものが入っていて呼び出しを受けたとき、そんな気持ちだ。

誰からのメッセージか。内容を見てしまいたい。

見てしまった。

普通に仕事の連絡でした。つらい。

そういえばちょっと前に新人さん(女性、20代)が入ってきたばかりだ。

打ってあるハンコは彼女のものだろう。

このハンコがまた可愛い。会社で注文するものとは違うから、自前だろう。

付箋も自分で買ったに違いない。いいセンスだ。

テンション上がってしまうからやめてほしい。いややめてほしくない。嬉しい。でもこんなものでドキドキしたなんて言えない。恥ずかしい。

誰も私の心音を把握していませんように。顔に出ていませんように。

若い女性に耐性を付けないとだめだな。反応したら負け、中年おじさん確定だ。

ここを乗り越えれば、若くていいな、と眺める枯れたおじいさまになれるのだろう。

娘がいたらこんな感じなのだろうか。嫁にやれないな。


 「付箋の件、確認できたよ、ありがとう」

「あっ、いいえ!良かったです!」

ハンコの部下にお礼を言う。反応も若々しい。

決してお姉様方に悪意があるわけではない。ただ若い異性と関わることがあまりないから経験を積みに来たのだ。ということにしよう。

「付箋とハンコは自前の?」

「そうです!可愛いもの使っているとテンション上がるので。怒られない程度にですけど」

「なるほど」

私の心拍数も上がりました、とは言えない。

いや怒る人いないでしょ。意地の悪いお姉様がいたら嫉妬されるくらいで。

それで仕事が捗るなら、文房具代も高くないだろうし、良いことなんじゃないかな。


 その後、休日に文房具屋に寄ったことは秘密だ。

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