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プロローグ 選択せよ
ふと目を覚ますと、目の前には白く長い髪の女性と黒くくせ毛の男性が見ていた。まるで対になっている二人だ、なんて考えていると、
「こんにちは。トリックスターよ」
女性の方が声をかける。この二人、どこかで見たような……と思い出そうとすると「あぁ、悪い」と男性がクスクスと笑った。そして、二人は近付く。
「もうすぐで、お前達の物語が始まる。そしてこの物語はお前達の選択次第で運命が変わるだろう」
「その選択を否定する者はいない。我々、導く者であっても」
二人の言いたいことが分からない。しかし気にする様子もなく、二人が扉の前に立つと、同時にそれを開いた。
「「さぁ、行くがいい。トリックスターよ」」
その言葉とともに、扉に向かって歩き出していた――。