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27.推し活は今後も続くようです ※一部ショタッコン視点

「マリアどうする?」


「私はお兄ちゃんの意見に合わせるよ。ただ、せっかく作ったハンカチーフを誰かに使ってもらえると嬉しいかな」


 僕達は王都に行くかの話し合いをしている。昨日オーブナーにハンカチーフを渡したら、王都に行かないかと誘われた。


 オーブナーは元々公爵家出身の騎士だったらしく、その伝手で僕達を庇護下に置けないかと考えているらしい。


 Aランク冒険者に命を狙われていることを考えると、王都に近づくことは避けた方が良いのだろう。


 ただ、マリアの希望も叶えたいのが正直なところだ。せっかく作ったハンカチーフを僕のせいで売らないってことはしたくない。


 僕に合わせると言いながらも、本当は王都に行きたいのだろう。


 いつまで生きられるかわからないが、初めて自分から何かをしたいと言ってきた。


 そのマリアの気持ちを僕は大事にしたいと思った。


「せっかくだから王都に行こう! マリアが作ったハンカチーフをみんなで売ろうよ」


「えっ? いいの?」


 僕が頷くとモススと毛玉もその意見には賛成のようだ。


 幸いオーブナーがある程度のことは対処してくれると言っていた。だから、僕達はそれに乗っかるだけだ。


 僕達は家族だ。


 誰かのためにみんなで協力するのが本当の家族。


 だから、家族のやりたいことは僕達のやりたいことだ。


 僕達は王都に行くことに決めた。





「おい、なんか子ども達が王都に行くって言っていたぞ?」


「ああ、俺もオーブナーから聞いた」


 俺はやっと癒しの存在を見つけた。いつも頭には魔物を乗せて、満面の笑みを周囲に振り撒いているそんな少年だ。


 そんな癒しがこの街を離れて王都に行くと言っていた。病気の妹のやりたいことを叶えてあげたいという理由らしい。


 あの小さな体で妹思いなのを知ると、さらに俺はリックに惹かれた。


 俺に愛を向けなくても良い。


 俺は頑張る男の子を応援したいのだ。


 だから、リックみたいな子は俺にとって癒しの存在だ。


 むしろ俺のことが好きだと言われたら幻滅してしまう。


 そもそも俺がこんなに頑張る男の子が好きになったのは、自分の才能のせいだ。


 昔からなんでもできた俺は何かに執着することもなく、頑張ったこともない。


 だからそういう子がいたら、今も心のどこかで憧れているのだろう。


「それでショタッコンはどうするんだ?」


「はぁん? そんなの聞かなくてもわかるだろ」


「ああ、俺達は――」


「天使様に付いて行く!」

「リックに付いて行く!」


 ロンリーコンと言葉が重なったようだ。Sランク冒険者になったら特にやることもない。


 金や強さはもういらない。


 あとは己の欲求を満たしてくれる存在を、ただひたすらと応援するだけだ。


 どうせオーブナーも付いて行くことになるだろうから、人が多い方が楽しいだろう。


「じゃあ、俺は今日もリックの観察に行ってくる」


「ああ、俺も天使様と仲良くなってくるわ」


 俺達の人生にはまだまだ魅力的な世界が待っている。

可愛いモススのためにブックマーク、★★★★★評価よろしくお願いいたします。

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