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李家剣夢譚  作者: 守田
鏢局大会編
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第8話 鏢局大会(五)

舞台に上がり、宋牛と向き合う。


「宋鏢頭、よくもやってくれましたね。」


俺を見た時の驚きようといったら尋常ではなかったが、徐々に冷静さを取り戻す。


「まさかここに現れるとは、金鼠がしくじったか。」


「まあ良い、実力で勝つまでだ。」


全てを明るみにしても良かったが、金鼠はどこにも見当たらないし、証拠を用意できない。


大方、鉄格子をも断ち切る匕首を見て、恐ろしくなって逃げたというところか。


「望むところです。」


他に言いたいこともあるが、ここは胸にしまい木剣を手に取る。

彼の方は、木刀を選んだ。


「短いが仕方ないな。」


木刀を眺めながらつぶやくと、こちらに向かって構える。


宋牛は苗族の刀術を使うのだ。

その刀術は倭寇の影響を受けていて、獲物は通常の刀より長い物を使うという。


まるで日本の時代劇のような構えから、大きな体躯では考えられない速度で飛び掛かってきた。


「無駄に剛腕ではない、ということか。」


一手、二手と受けるが、なかなか重い攻撃だ。

もし彼が本来の獲物を持っていたなら、さらに一撃が重厚なのだろう。


「俺の斬撃を受け流すとは、さすがは李家の剣法だ。」

「見物人には悪いが、一気に終わらせてもらうぞ。」


両手で抱え込むように刀を持つと、膝を曲げ腰を落とす。


「双手一刀法!」


そのまま飛び出し、同時に突きを放つ。


その速さと威力は凄まじく、飛雲功を身に付けていなければ、一突きのもとにやられていただろう。

俺は体を横に回転してかわすと、彼の背後に回り込む。


「次はこちらの番です。」

「李家十剣!」


第一の剣である突きを放つ。


「なっ?速い!」


宋牛は突きの速さに間に合わず、腕で突きを受ける。


木剣と言えど、今の一撃でしばらくは腕を動かせないはずだ。

もし俺が本物の獲物を持っていたなら、ここで終わっている。


そして、流れるように第二の剣である払いを放つ。


「ぐはっ!」


彼の胴体に一撃を加え、勝敗は決した。


静まり返っていた会場から、大きな歓声が沸き起こる。


「一体どういうわけだ?」

「一撃目も速く重かったが、二撃目はさらに速い。」


「こんな技、見たことがないぞ。」


膝をつき、見上げながら宋牛が問いかける。


「これが李家の奥義です。」


「そもそも、宋鏢頭と俺では内力に差があり過ぎる。」

「斬撃の重さは腕力だけではありませんよ。」

「これからは内功を修練することですね。」


彼に背を向け舞台を降りようとしたその時、


「これで終わると思うなよ!」


そう言って飛び掛かってきたのは呂熊だ。


手には槍を持っている。

もちろん、木製ではない。


同時に、背後からは宋牛が木刀を手に襲い掛かってきた。


「飛雲功!」


横っ飛びで槍はかわしたが、背後の木刀はかわせず肩に一撃を受けた。


「卑怯だぞ、それでも鏢局の人間かっ!」


舞台の端まで飛び言い放つと、趙景が俺の剣を手に軽功でやってきた。


「例え無双鏢局の鏢頭と言っても、もう野放しにはできないわね。」


その通りである。


「いくぞっ!情花曲剣法!!」


二人が同時に叫ぶや否や、まるで旋律にあわせて舞うように、舞台逆側の端まで駆け抜ける。


そして、一瞬にして宋牛と呂熊を斬り捨てていた。

彼らは、抗うことすらできなかった。

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