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お迎え

作者: 野島 いおり


 A:死ぬ間際お迎えが来ることを信じている、人間

 B:自分が死ぬとか、あまり深く考えてない、人間

 アナウンサー:AかBで兼ね役でお願いします。




A:「なぁなぁ、Bさん。死ぬ前ってお迎えが来るって言うじゃん?

   あれって、何が来るんだろうね〜」

B:「ハァ〜何言ってんの?君」



A:「よくさ、お年寄りが…もう、お迎えが近いわ〜ワシは。とか

  ドラマの中でよく言ってるじゃん。」

B:「うん、それは、理解できたんだけど、それで?」



A:「お迎えって、何が来るんだろうね?神様仏様かな?それとも、何処かの

   ご先祖様かな?それとも来世で家族になる存在が来るのかな?

   もし、家庭を持ってて自分の嫁さん旦那さんが先に亡くなってたりしたら、

   その人が、来るんかね〜好きだった人とかさ」


B:「あーそれってさ、昔のエヴァンニャラララの劇場版に似てるね〜

   ほらほら、自分が好きだった人が自分より先に亡くなっていた場合

   迎えにきてくれていたじゃないか?

   好きな人がいないときは、あのブルーの髪の女の子が死という現象

   を持って、生き残っていた人類を迎えにきていたね」


A:「あ、確かに、確かにそうだ!思い出したぞ!」

B:「それで、君は結局何が言いたいんだ?」


A:「いやね、私はもしお迎え制度が確実にあるなら、そうだな〜絶対

  一生かかっても逢えない人に迎えにきて欲しいんだよ。」

B:「その心は?」


A:「ワンチャン、もうこの世にいないマイケル・ジャクソンとか、

  ジョン・レノンに色々質問しながら、天国行きたくない?ハハハハハw」

B:「天国行きは、決定なんだ。」 (ボソ)



A:「パトラッシュは、天使達に連れて行かれていたなぁ〜あれは、泣ける

   つまりだ!死ぬ時のお迎えの有無、またそのお迎えの登場人物によっては、

   死というものも、恐ろしく無くなるんじゃないかと。

   死亡率100%の人類は、その問題を深く考えないとならないと、

   思うのだ!」


B:「死亡率100%ねぇ〜まあ、生きてりゃ〜そりゃ〜動物なら終焉を迎える

  だろうがその理屈からいうと、やたらとご家庭を悩ませ気味なあの黒々しい

  例の〝ゴ〟がつく生物については、どう思うんだい?やっぱり彼らにも、

  彼らにも何かのほg・・・

  (遮りがちに)

A:「シャーーーーーラップ!」

  「のんのーん、Bさんは本当に素直じゃないんだから、斜め横から世界を見て

   は、いけな言ってわけじゃないけどさ、落ち着こうよ!・・・・

   まぁ、ブルーの髪の子が回収に来るんだと、そこは話の流れ上、

   そう理解しておいてくれたまえ。」


B:「はいはい、了解しましたよ。茶々を入れてしまって、すまんすまん。」

A:「わかってくれたら、嬉しい限りだ!」

B:(小声)「いや、お前がそう言わせたんだろ?」


A:「ところで、それを踏まえてBさんに質問です!君は人生が終わる瞬間、

   一体誰にお迎えに来て欲しいのですか?

   自分的には、めっちゃそういうの気になるんだよな〜(ニヤニヤと)

   なぁ〜なぁ〜教えてくれたまえ、Bさん」

B:「え〜私ですかぁ?

   う〜〜ん、人間とかで良いんだよな〜迎え人は。この流れで言うと。

   だ、だ、だよな!」


A:「まぁ、そうなる!」

B:「そうだな〜私なら、徳川家康かな?」



A:「え?何故ですか?まさかの埋蔵金目当てでは、

  (笑いながら)ないでしょうね〜???」

B:「いやいや、いやあああああ

   ち、ち、ちがいますよ〜まさか〜そんな理由じゃないですよ〜

   ただ、純粋に戦国時代の武将に逢いたいなと!」

  (小さい声で)「あっぶね〜〜図星だよ」


A:「そうですよね〜どうせ、死に際にお迎え人として来ていただく

   徳川家康に、埋蔵金の場所を聞いたところで、意味はないですよね〜

   今から死にゆく、Bさんにはね〜」


B:「そ、そ、そーだよ!なんだよ!私は、純粋に、純粋に

   徳川家康に逢いたいだけだったんだよ!本当に、天ぷらが原因で

   亡くなったのとか・・・(汗汗)」

A:「なるほどね〜Bさんもなかなか面白いことをいうじゃないか!

   ちょっと、君に私は今回の例え話とはいえ、感心させられたよ!ウンウン」


B:「そ、そ、そんなAさんこそ、一体誰にお迎えに来てもらいたいのさ!

  ここまで話題を引っ張ったからには、其れ相応の人物と逢いたいんだろうね〜」


A:「お!よくぞ聞いてくれた!

   私は、言いたくて仕方がなかったのだよ!」


B:「そうか、そうか!言いたかったのだな!!一体誰だい?」


A:「Bさん」


B:「え、私??え、なんで?なんで?私?」

B:「私が、Aさんより先に死ぬ前提なのでしょうか?それは、冗談にしても酷いな〜

   (苦笑い)Aさん、酷いよ〜」



A:「Bさん、落ち着いて話を聞いてください。

   先ほど、Bさんは死にました。私の目の前で。」


B:「はぁ?何言ってんだ?Aさん!私生きてるしって・・・

  あれ、ここってどこだ?霧深い場所であるのだけは、わかるんだが・・・」


A:「毎日、私とあなたは、午前7時ジャストの大森行きの東急バスを通勤のために

  利用している事は、覚えてますか?」


B:「・・・・・は、はい。間違いは・・ないかな?うまく思い出せないけど。」


A:「今日の午前7時15分ごろ、環七の対向車線から大型トラックの運転手が

   心筋梗塞になり意識不明に、そしてこのバスに突っ込んで来たんですよ。

   バスは横転して運転手は即死。大型トラックの運転手も即死。

   環七で10台を巻き混んだ大事故が発生したんですよ。」


A:「・・・・バスの中は、一瞬阿鼻叫喚だったが段々と、静かになり気を失っていた

  私が目を開けると、そこには血まみれの車内と息を引き取っていたBさんの姿が

  見えたんですよ・・・」


B:「うそだ!なんで、俺が死んだ事覚えていなくて、Aさんは、理解しているんだよ!

  これは、夢だ!確かに、この空間は、言われてみたらおかしい・・・

  だが、私は生きている!」


A:「あなたは、恐らく即死だったんですね。私は、出血性ショック死でした。

   だからでしょうか?私は多少死ぬ前の記憶は、あるんです」


B:「・・・・う、、、う、う、、。

  じゃあ!じゃあ!ここは夢の中と、

  仮定してそれじゃ〜Aさんに聞こうじゃないか!

  何故、俺はAさんを迎えに来たんだ?

  Aさんは、一体私の・・・どう言った存在なんだ?」


A:「Bさん、おめでとうございます!あなたは、

  今回のこの事件により天使に昇格しました!

  パチパチパチパチ!

  おめでとうございます!自分自身にもおめでとうを言いたいですよ!

  私は、ついに天国の一員になれるわけだから。

  話は、戻りますが、私を迎えに来て欲しいのは天使です1答えは、天使です!」


B:「はぁ?何故私が100歩譲って、天使になったのだとしよう!

  まぁ、夢の中という仮定ではあるけれども。なんで、私がどーしたら天使

  になれたんだ?」


A:「・・・うーん、これはダイブ私の憶測が飛び交いますが、Bさんは恐らく

  亡くなる時に小学生を懐に2、3人抱くようにして亡くなっていました。

  それが天使昇格へのきっかけになったのではと?小学生たちは、私が

  最後意識を失う前に確か指先が動いていた気がします。

  恐らく、助かったのではないかと。あと、もう一つは天使不足解消のため、

  今回かなりの功績を挙げた、Bさんが選ばれたのではないかと。(ちょっと得意げ)」



   (大げさにふざけた感じで)

B:「はぁ・・・まぢか!!!!!!」

   

   (感動的にしっかりとした口調で)

A:「マジです! 

   いや〜天使って本当に鳩みたいな白い羽が背中から生えてるんですね〜」


  (Aの話を聞かずに自分に感心しながら言っているB)

B:「なんか、いい夢見たな〜本当に、私が人助けしてね〜ふむふむ」



N アナウンサー:本日午前7時半ごろ、東京都世田谷区の環七沿いで大型トラック

        と東急バスとの正面衝突事故が起こり、

        多数の死亡被害者が出ました・・・・

        警視庁にの発表によりますと・・・




終わり






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