作者、二時間ドラマを懐かしむ
と、言うことで、唐突に6畳の小さな二階の部屋に作者と私が二人で座る。
折り畳み式の小さなテーブルに、彼女の好きなイエローラベルのあのブランドの紅茶を置いて、ステレオタイプのラジカセを用意する。
「で、なんで私まで登場する事になるんかな?」
作者は少し不機嫌そうに私を睨む。
「決まっているじゃないですか。男性キャラの私に、あなたの昔話を語るのは無理です。」
私は正座して、紅茶をこれ見よがしに優雅に口に運んだ。
「べ、別にいいじゃない…。と、いうか、芝居形式は面倒なんだよぅ。」
と、愚痴る作者を冷たく一瞥して、私はこう言った。
「それではあなたは、私に、
『キスシーンになる度にお父さんにからかわれて嫌だった。』とか、
『明智小五郎かっこいい。』とか、
語れというのですか?
まあ、ここまでは良いですが、女優さんのドレスのフリルの話とか、
女のドロドロ話なんて、一人で語れませんから。」
と、キッパリと言ってやった。
「恋する怪物」からすでに一年。
何だかんだで、未完のまま、なんとか投稿するぞ。
と、言うところまで漕ぎ着いた私たち。
この一年の設定生活から、どうも、蘭子と北条の物語は、昭和風味の二時間ドラマを目指したら、いい感じになりそうだと気がついたのだ。
作者は言った。
二時間ドラマもなくなったし、
なんか、この辺りで昭和風味のサスペンスを作ったら、当たる可能性がある。と。
で、私は、これから二時間ドラマ、主に、昭和の二時間ドラマのニーズについて考えることになったわけだが、
作者の記憶が少女ものなので、一人で語るのは恥ずかしい。
嫌なのですよ。絶対に!
「わかったわよ…。もう、悪かったわ。とりあえず、私も手伝うわよ。
賞金欲しいもん。
賞金を貰って、足腰が元気なうちに名古屋にフリマ遠征するんだもん。」
作者は少し、ごねた感じでそう言うと、ステレオタイプのラジカセに手を伸ばした。
記憶を広げて行くために、昭和の曲をBGMにかけながら始めようと思う。
ステレオタイプのカセットデッキが、一般に…と、言うか、作者の家庭に登場するのは、多分、松田聖子さんのヒット曲と共に…
もしくは、作者の母の好きな小林幸子さんのヒット曲と共に、やってくるのだが、
私の作者が目指すのは、
ズバリ70年代の「土曜ワイド劇場」。
赤、青、黄の光の三原色が踊るオープニングで始まる、胸踊るサスペンスを再び見てみたいと考えているのだ。




