二度目の初恋。3
気がついたら、話を進めてしまっていた。
が、これは、先のない話だ。
20年前に亡くなった女性の17才の息子は、物理的に存在できない。
それに、こんな面倒な話を作れる自信もないし、これ、現代劇でカテゴリーも変わってしまう。
けれど、考えるのをやめられなかった。
一番の失敗…と、いうか、少女とその父親が、親子で同じ血族を好きになった。と、言う設定だ。
書いてないが、頭の中で、健二の話は考えていた。
蘭子に憧れて、告白もできずに悶絶し、彼女は淡雪のように呆気なく亡くなったのだ、そんな健二の切ない気持ちをいれてからの、少女の初恋の始まりを、父親と同じ目線で追ってしまったのだ。
これは、はまったなぁ。
娘の男なんて、どんな奴でもクソ野郎なんだが、ちょっとした仕草に、蘭子の面影を見ながら、自分の娘もまた、なにも言えずに恋を終わらせやしないか?
好きになってはもらえないのか?それほど、高嶺の花なのか?
と、色々感情がはいり、
少女の純粋な気持ちを考えているうちに…つい、ハッピーエンドまで突き進みたくなって、でも、それは出来ない。
もとの設定が歪んでいるから。
出来ないのはわかる。
わかるのだが、あまりにも美しいストーリーラインと、感情移入をしてしまい、不覚にも胸をときめかせてしまったのだ。
勿論、はじめは理性的に、すべてを終わらせてから書けばいいと思った。
でも、ふと、考えてしまったのだ。
私のこの胸のときめきは、青春ではなく、青秋なんだと。
青春の初恋も、淡く消えるもので、そのうち、生活や、大人になる過程で純粋さなんて消えてゆくけど、
青秋は、つるべ落としであっと言うまに、こんな気持ちは消えてしまうのではないかと、焦燥感にかられたのだ。
もともと、私はこんなロマンティックな人間ではない。
車を運転すると人格が変わる人がいるが、
私は、作家のふりをすると、随分とロマンティックな夢想家に変身してしまうようだ。
こんな純粋な気持ちで、架空の…主人公を愛することなんて、いつまで可能なんだろう?
いま、いまやらなきゃ、もう、出来ない気がした。
で、この設定を止めないと、本編が進まないから、仕方なく新しい連載枠をつくってボヤいてみたけど、書いてるうちに、本気で話が進みそうになって、慌ててる。
やめなくては!
初恋は、一人一回しか経験できないけれど、
小説を書いていれば、二回目の初恋に出会える。
ただ、純粋に誰かを好きな気持ちに再び胸を焦がすことが出きるのだ。
ああっ。書いていて死ぬほど恥ずかしいぞ。
が、一年後、私はこの記事を読み返すとき、何を考えているのか知りたかった。
それに、恋愛の話を書く練習もしたかった。
恥ずかしいな。まったく。
歌手なんて、よく、こんな甘い台詞を次から次へと考えられるものだ。
さあ、さすがに、無理筋の話にドップリと沈むわけにいかないから、持ち直そう。
まだまだ、ルネサンスが私を待っているんだから。
しかし、いつか、本当に書いてみたいものだ。
素敵なラノベと言うやつを。
そんな日が来るかはわからんが、一年後の自分が、ちゃんと完結させていることを心から祈りたい。
大丈夫かな…




