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脇役語り  作者: ふりまじん
パラサイト

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二度目の初恋。2

ここからのストーリーを考えるのは、楽しかった。 少女は、快活で本が好きだ。

そして、17才の少年に恋をする。

彼は蘭子の息子で、優しくてハンサムだ。

そして、親を早くに失った悲しい過去をもつ。


少女はひた向きに頑張る少年をすきになり、奈美と一緒に彼の亡くなった母親の探していた物語の続きを探し始める。


ここで茶色いノートの登場だ。


しかし…私も驚いたけれど、私が設定を細かく考えても、登場人物にその発想が無ければ、受け入れてはもらえないのだ。


美男の騎士のガブリエルは、奈美からしたら健二と融合する人物になり、美男の基準も、私と奈美とでは違うことに書いていて気がついた。


私の発想を物語に盛り込むために、蘭子とノートが必要になったのだ。


しかし、蘭子、魅力的すぎて、変な怪人が張り付いてくる。


すると、この強力な個性をもつ二人は、話をまた別の方向にねじ曲げ始める…


時代は90年代。


忘れていたが、一際(ひときわ)強烈な時代だった。


バブルがあった。

日本は世界を買い占める。そこには、歴史的なビルやら、城やら、絵画があった。


ベルリンの壁が崩れて、ドイツが統一したのも、おもえば、ほんの一昔。


壁に隔てられた男女の悲恋など…、今は昔の物語。

ソ連も崩壊し、ロシアになった。

ここで、混乱するロシアから、兵器やら、絵画やらが流失するのだ。


蘭子が駆け抜けたこの時代。考えると世界は、新しく動き出して、絵画などの美術品も、それに並んで新しい時代の覇者(はしゃ)の元に下ってゆくのだ。


つまり、だ。ダ・ヴィンチやら、テンプル騎士団やら、ソロモンの鍵なんて、別世界のアイテムみたいな代物が、90年代の日本と関わりを持ってる設定が、すんなりと通るのだ。


ここで、ふと、五島勉先生の「大予言」シリーズに、ロマンティックなロシアの話があったことを思い出した。




北海道の教会に隠そう。




私は、ソロモンの鍵の行方をそこに仮止めし、しばらく、頭のなかで昔夢中で読んだ、オカルト本を思い出していた。


北海道なら、青森が近い。

青森の何処かには、キリスト伝説があるはずだ。


秋田かな?涙を流す聖母がいたはずだ。


美しい夏の北海道で、恋と壮大(そうだい)なオカルトミステリーを、無垢(むく)な少女と探すのだ。


プロヴァンスは、確かラベンダーが有名だが、北海道のそれも、さぞ美しかろう。


そこを舞台に、彼女に人生に残り続ける美しい恋の夢を私はプレゼントする力があるのだ。


魔法使いにでもなった気分だ。


教会とラベンダーがあるなら、その繋がりで、フランスの修道士と出会うことも可能だ。


夢は膨らむ。




考えているうちに、昔、家族で見ていた土曜ワイド劇場を思い出した。


この流れなら、あの懐かしい世界観に浸れそうな気がする。


そんな事を考えていたら、私の心の牢獄を破り、あの名前のない怪物が、私の前に再び登場した。


数多(あまた)の贅沢を手にいれた。

沢山の恋のゲームを楽しんできた。


けれど、本当に心を動かされたのは…あの(ひと)だけだ。

どうか、再び、あの女の残り香に酔う甘い一時を、私にも分けてはくれないだろうか?




切ない怪人の申し出を、私はしばらくもて余していた。


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