時影、パラサイトを語るセカンドシーズン7
夜風が暖かくなってきました。
そっと窓を開けて月見をすれば、甘い沈丁花の薫りが春を告げに来ました。
私は蝋燭に火をともし、少し迷って炭酸水を作者に渡しました。
この控えめな春の使者の存在がスコッチの薫りに消えてしまわないように。
作者は黙って受けとると、静かに月を見つめていました。
「春ね…」
作者は月に語りかけるようにぼやきました。
「そうですね。」
私も曖昧な相槌を打つ。
「私、今回、別サイトで250円を儲けるために『パラサイト』を差し出そうとしたわ。でも、今回もお金にはなりそうもないわ。」
作者は難しい顔をする。
「そうでしたね。」
「しかも、まだ終わらない(T-T)」
作者は悲しそうに呟いた。
他のサイトで書き始めたパラサイトは加筆が増殖、まだ終わらないのです。
「加筆など…そのまま書けば宜しかったのに…」
私は深くため息をつく。
どんな形であれ、完結していた物語でした。そのまま出しさえすれば。
「お説教はいいわよ(T-T)もう、この話は呪われてるんだわ。」
作者はそう言って苦笑いした。
「人聞き悪い。原因は貴女が加筆をしなければよいのです。」
「なにどや顔してるのよ〜そのまま書いても評価もらえなかったじゃない。
ブックマークが増えたのよ!つまり、続きを…置いた伏線回収しろって言われてんじゃない!
これについては、『イブ』で回答しなきゃいけないのよ。池上は、始めにスカラベを探していたわ。これ、はじめは見つかる設定だったわ。」
作者は口を尖らせて呟く。
「ふふっ…そうでしたね。」
私は3年の長い活動がくるくると頭をめぐります。
「うん。あれは…まだ、屋敷にあるはずなんだよ。」
作者は眉をしかめてそう言った。
「でも…探せてないですが、ね。」
私の言葉は、嫌みに聞こえたようで作者はふてくされた顔になる。
が、すぐに納得した泣き顔になる。
「分かってる。でも、悪い迷いかたじゃないわ。
こっちで完結して評価はそんなに貰えなかったけど…でも、ブックマークが増えてから1年。結構見てくれた人がいたもん。
ネット大賞にも希望が出てきたわ。」
作者は笑った。
先は長いですが、やる気が戻ってきたようで嬉しく感じます。




