作者、パラサイトを振り替える8
はぁ…(´ヘ`;)
作者はため息をつく。
美しい桃園で、馬頭琴の甘い囁きを聴きながら、
しかし、作者はとても不機嫌そうに眉を寄せて私を見つめている。
「そんな顔をしても無駄ですよ。」
私は何かの許しを乞うような、作者の甘えた上目づかいの顔を呆れて見ながら言う。
「でも………なぁ…。
まだ連載中の作品の…
推理小説をネタバレって……
嫌なものだわ。」
作者はため息をついて口をへの時に曲げる。
「仕方がないでしょう。
貴女は、既に連載を止めてエタ寸前なのですから。
7並べに例えるなら、貴女は、持ち札が出せなくなって、パスを使い果たし、負けを認めたようなものです。
持ち札をさらすのは、仕方の無いことです。」
私はトランプ遊びの『7並べ』に例えて冷たく宣告した。
どちらにしても、作者の持ち札が、
設定が分からない事には、改編なんて出来ません。
「う゛ーん(-""-;)
ま、負けとか言われると、抵抗あるなぁ…。
だって…、
だって、何も無ければ、あと一万字はないくらいで終わる話なんだもん(;O;)
遺伝子やら、ネクレオチドやら、何度も読み返して…(;O;)
感想を貰ったし、頑張ったのに………。
ま、負けって…
ああっ。泣ける(T-T)」
作者は本当に涙目になりながら、まだ、抵抗を続けました。
私は、
私だって辛いのですよ。
私は胸に何か、固まりが出来たような違和感を抱きながら、作者を見つめた。
「持ち札を全てさらせなければ、諸葛亮孔明を仲間に率いれるなんて笑止。」
私は芝居がかった言い方をして、自らの信じる劉備が頭を下げて味方にした孔明を関羽がどう考えていたのか、ふと、そんな事を考えてしまった。
が、作者は農民の劉備のコスプレで口を尖らせて不満そうにしている。
「いいわよ…、わらいなさいよぅ…。
別にいいわよ…もう(T-T)
ああ、そうね、曲も丁度終わった事だし、シャンソンでもやって頂戴!」
作者の声に反応して、桃の精が馬頭琴で『ロクデナシ』を弾き始めた。
『ロクデナシ』とは、越路吹雪さんが歌った日本語バージョンのシャンソンで、
オリジナルは、ベルギーの歌手アダモさんの曲である。
なんて事は今はどうでも良いのですが……。
ロクデナシのメロディーに合わせて、ふて腐れて口を尖らせながら口ずさむ作者の姿を関羽のコスプレをしながら見つめていると、
光輝Vrでは想像できない、無能な劉備の三国志が理解できる気がしてきました。
池上は良いとして、
この作者と物語を愛し、支えてくれる人物なんて、広いネットの世界でも、本当に登場するだろうか?
「ちょっと…本当に笑わなくてもいいじゃない(●`ε´●)
少し疲れたから、遊んだだけじゃない。」
作者はとうとう笑い声を漏らした私を見て叫ぶが、
なんだか、笑いがとまらない。
「わらって良いっていったじゃないですか。
そんな、口を尖らせて。」
「うるさいなぁ…。口なんて尖ってないし…。」
作者はへの字口で黙ってしまいました。
それから、私をみて笑いだした。
「まあ、そうだね。
もう、何がなんだか…。
泣きたくなるけど…。でも、まだ、ブックマークが一つあるし、とりあえず、二人でやらなきゃね。
まあ…言った所でその通りに結末が来るとも思えないし……。
でも、こうして、あなたに追求されると、
追い詰められる犯人の気持ちがわかる気がするわ。
今、言うべきか
誤魔化してしまうべきか
ふふっ。
まあ、閲覧数も少ないし、大まかに説明するわ。」
作者は甘さを含んだ困り顔で目を細めて私を見た。