時影、パラサイトを語るセカンドシーズン
長く離れていた物語を再開するのは…別荘を再開する感覚に似ているのかもしれません。
今年は色々ありました。
この物語の原動力だった剛さんが亡くなり、作者は混乱しました。
コロナの時期、会うことを控え、連絡も随分あとで知ったので葬式にも行ってないのです。
と、同時に、二つ目の動機…世紀末の…オカルト騒ぎとノストラダムスとの決着をつけようと、他の物語と連結をしだしたパラサイトをそのまま進めたため、元総理銃撃事件で浮上したカルトの問題が頭をもたげ、エンディングが中途半端になってしまいました。
色々な感情に流され、他の用事をしているうちに気がつけば秋も深くなってきました。
そろそろ、こちらも再開しなくては行けません。
あのエンディングで、評価は延びませんでしたが、ブックマークは増えたのです。
つまり、簡潔をしてなお、続きを読みたいと考えてくださる読者がいるのです。
そして、ブックマークは現在、4つ。
あと1つで5。
小説部門の自己最高に並びます。
そう、過去ばかりを見ていても仕方がないのです。
穏やかな秋の山小屋のベランダに自作のホットケーキに紅茶。
本日はシーズンを迎えたアッサムを。
作者の好きな洋梨を軽くバターで炒めてホットケーキに添えましょう。
BGMには、安全地帯『オン マイ ウェイ』1982年タイヤのCMソングとしてリリースされました。
「なんだか、懐かしそうな曲ね。」
作者がやって来ました。
「安全地帯です。」
「え?こんな曲あった?」
「ブリジストンのタイヤのCMソングでした。」
私の説明に作者が微笑んだ。
「そうだったわね…。安全地帯…懐かしいわね。」
「さあ、座ってください。今日はホットケーキです。」
私は作者を椅子に誘う。
安全地帯の曲が冬の予感と切なさに甘さを添えます。
「そう言えば、安全地帯って、『火曜サスペンス劇場』のOPソングとかやってたよね?」
作者は昔を懐かしむように目を細める。
「はい『出逢い』ですね。」
私は曲をかけた。
『火曜サスペンス劇場』は、1981年から放送された日本テレビの二時間ドラマです。
「ああ、そうそう…懐かしいわね。あの番組は曲がよかったわ。」
作者は懐かしそうに目を細めてホットケーキを口にする。
「そうでしたね…。どの曲も…ドラマの余韻を引き立たせてくれました。」
「やはり、『火サス』と言ったら、岩崎宏美さんよね(´-`)
サスペンスって、大概、人殺しの話だし、暗くなるんだけど、宏美さんのエンデング曲が、一気に昇華するのよ…
久しぶりに『25時の愛の歌』を聴きたくなったわ。」
作者に言われるまま曲をかける。
岩崎宏美さんの優しい声が深秋の森に染みて行きます。
私たちはしばらく無言で曲を楽しみました。
曲と共に画面を飾った女優さんが流れて行きます。
沢口靖子さん
片平なぎささん…
浜 木綿子さん…
華のある素敵な女優さん達です。
「やっぱ…宏美が染みなきゃ…エンデングとは言えないわよね(T-T)」
作者が急に叫び、驚きました。
「は?」
「だから…『パラサイト』よ。完結したけど、ポイント増えなかったわ(>_<。)
まあ、仕方ないわよね? 今、なんかわかったわ。
岩崎宏美の曲が染みるような終わり方が本当のエンデングだって。」
作者はボヤきながら溜め息をつきます。
「まあ…確かに、そうですね。」
私は、その様子が可愛らしくて笑ってしまいます。
一緒に過ごした作者の少女時代がフラッシュバックします。
「うん…考えてみれば、毎週、違う作家の作品のエンデングとして使われたのよね?でも、どの作品にも上手く馴染んで、世界観を統一させる…結構、凄いことだと思うわ。
『25時の愛の歌』が流れて感動できるエンデングを作れたら…もう少し、ポイントを貰えたかもしれないわね。」
作者は秋風に降り積もるカエデの葉を見つめていました。




