作者、パラサイトを振り替えるシーズンファイナル6
穏やかな暖炉の火を見つめながら、作者は、渋い顔をしています。
手には、アイリッシュコーヒー…勿論、砂糖入りを持っています。
私は、彼女の隣で、穏やかな沈黙を楽しむのです。
色々、混乱しているパラサイトも、動き始めましたし、最終回は無理でも、終章は、近い気がします。
「あーあ、これから、どんな風になると思う?」
作者がなげやりに私に聞きます。
「さあ。池上が助かって終わりですよね?」
「うん…。多分ね(T-T)」
作者は、なにか、不満そうです。
「何か、心配事でも?」
私は、作者の顔をじっくりと見ました。
一体、何が不満なのでしょう?
作者は、私の態度が変わった事に少し驚いて、慌てるように言いました。
「確かに…そうだけど…、でも、そこまでが大変なんだよ。池上は、屋敷を出ようとしてるし…(T-T)」
「確かに、屋敷からは出られそうですね。」
私が、からかうと、作者は、膨れっ面をした。
「もうっ。大変なんだから。
一万字の短編が、2年で100年の問題に刷りかわり、森鴎外まで登場だよ…(T-T)」
「付け加えたのは貴女ですよ?」
「もうっ、仕方ないじゃない、いつまでも2019年にしがみつけないんだもん。
今年、没後100年の鴎外先生に合わせて、一気に物語の舞台をワープさせないと(T-T)」
作者は、心配そうに顔を歪める。
元々、この作品は、短編のアンコールでした。
色々と混乱しながら続けましたが、これで終わりにしても…
残念ですが、誰も悲しむ人はいない気がするのです。
「もう…それは、よろしいのではありませんか?
2019年、池上の物語で謎があったとしても、そのままで。」
私だって、切ないのです。
しかし、ミカンばかりを増産するわけにも行きません。
「と、いうわけにもいかないでしょ?もう、次のネット大賞の仕込みも必要だし、未完で謎放置したら、落選してから、小銭稼ぎができないじゃない(T-T)
私はね、小銭を稼ぎにここに来たのよ。
本当は、一万字の剛の間抜けな話で、投げ銭貰って…それで慰安旅行に行きたかったの。
それが、なんで虫ホラーになったのかは分からないけど、500円を稼ぐんだもん。
私、絶対、剛は、令和の寅さんになれる男だと思うのっ。」
作者は力説しますが、令和の寅さんになれると言われても…普通は嬉しくないと思います。
でも…作者の顔を見ていると、初めて、ネットで作品を書き始めた頃を思い出してしまいます。
当時は、2万円と息巻いていましたが。
「ちょっと…何がおかしいのよっ。」
作者が口を尖らせています。
いけません…つい、思い出し笑いをしてしまいました。
「すいません…。別に、何でもありません。」
私の答えを作者は、少し疑りながら、それでも、次の瞬間には、気持ちを切り替えたように笑った。
「怪しいなぁ〜でも、ま、いいか。
それより、話を作らないといけないんだもん。
話の筋から、話も別れるわ。昔の話を追う北城と、池の謎を追う池上に…
どうなるんかね。」
作者は、そう言って苦笑した。
ともかく、長かった物語に何がしかの区切りがつく…そんな予感はしてきました。




