作者、パラサイトを振り替えるシーズンファイナル5
あけましておめでとうございます。
新しい年が始まりましたが、私の作者は夢と希望に包まれる……と、言うわけにも行かないようです。
浮き世を忘れた美しい銀世界にある山小屋で、私達は正月を楽しんでいました。
この何もない世界に二人きり。
こうこうと燃える暖炉に、柔らかいソファ。
ふわふわの毛布に包まれて、ホットレモンを二人で飲むのです。
なんと贅沢な時間でしょうか?
「全く…年、越しちゃったよ(T-T)」
作者はぶつぶつ文句を言ってます。
「良いじゃないですか、とりあえず、前回の作品に追い付いたのですから。」
「19話にね、130話で追い付いたわ(T-T)
でも、若葉雅苗が登場して、長くなりそうだよ。」
作者はため息をつく。
「そうですね……。」
私は、ふふっと笑いを漏らす。全く、自分で作り上げる世界で、こんなに驚ける作者もなかなかいないでしょう。
「なによ…笑ってる場合じゃないんだからっ。
雅苗…寄生虫殺人の謎を何とかしないと。(T-T)」
「そうですね、寄生バチを遺伝子組み換えで、相手を思い通りにするのでしたかね?」
私は、この先を考えてため息をつく。
「そうよ、もう、そんなこと、すっかり忘れてたわ(>_<。)でも、それを含めて物語は展開するから、アレの真偽も探らないといけないのよ。どうしよう?」
作者は頭を抱える。
私は、古いレコードをかけて、優しく彼女の両手に触れる。
「まあ、今は、すべてを忘れて…私と踊ってくれませんか?」
薪のはぜる音に、レコードの針の弾む音が仲間に入る。
しばらくすると、映画『マイ・フェア・レディ』の作中曲『踊りあかそう』がかかります。
これは、美しい英語の勉強がうまく行かずに混乱した主人公が、勉強の楽しみに気がついた気持ちを表した歌です。
「はぁ…あ、もう。」
作者は苦笑しながらも、立ち上がります。
ヘップバーンの歌声と共に、思い出も跳び跳ねます。
「まあまあ、そんな顔をしない。」
私は彼女の両手をとって、ステップを踏みます。
「そうね、こんな風に、社交ダンスに憧れたのが、前世紀だって思うと、諸行無常を感じるわ(T-T)」
作者は文句を言いながらも私について、軽やかにステップをふみます。
「それでも……新世紀に入って、思い出せるなんて、素敵じゃありませんか。」
私達は、静かに踊る。
小さな頃の夢のプリンセスのダンスを、その後の人生を……。
「そうね、なんか、この先が恐ろしいけど…やるしかないわね(T-T)」
作者は少し疲れたように、それでいて、輝いた瞳で私に笑いかけた。




