作者、パラサイトを振り替える66
「Xファイル…これを参考に変えるしかないわね(T-T)」
作者は軽快な音楽に合わない渋い顔をする。
Xファイルとは、90年代に流行したアメリカのSFドラマである。
「Xファイルですか…」
「うん(T-T)あれ、主人公のモルダーの人生が、クリーチャーと共に描かれてるんだよね。
言いながら、危険な感じしかしないんだけれど。
あの話は、幼い頃にUFOに妹が連れて行かれた所から話が出発するじゃない?で、1999年の世紀末に向かって、いろんな話が展開して行くんだわ。」
「つまり…『パラサイト』の原点をしようと考えているわけですね。」
「ぐ…グラウンド・ゼロ(@_@)そんな大層なもんじゃないけど、『パラサイト』の何かを発端に、現在…池上が何かを始める。で、結末を…2025年。大阪万博に繋げるのよ〜(;_;)
書いていて、壮大な風呂敷広げることが面倒くさいわ。」
作者は夜の海岸線をハイライトで車を飛ばす。
「まあ、我々、どちらにしても万博をゴールにしてますし、『パラサイト』も発端は70年の大阪万博のスカラベのミイラからですから、流れ的には間違ってませんよ。」
私は長くなりそうな話を冷静に考える。
とにかく、現在は二次選考に受かることだけ考えれば良いのです。
それ以外は、選考に上がってから考えれば良いことです。
「そうね……一次選考って発表、13日の盆の入りだったじゃない?」
作者は芝居がかった感じで前を見ながら言う。
「はい。」
「私、入選に興奮していたのか、夜中に目が覚めたわ…そして、浅い夢を見たのよ。
五島勉先生とノストラダムスが夢に出てきて言ったわ…
70年代は、決して楽な時代では無かったと。
1ドル360円の生活の辛さや、公害、よど号事件について話はじめたのよ(T-T)」
よど号事件とは、1970年3月31日に赤軍のメンバーが起こしたハイジャック事件である。
「ありましたね…あれも1970年でしたね。」
「うん、11月には、三島由紀夫は割腹自殺をするし…確かに、楽な時代では無かったんだわ…。
夢の中で五島先生は言ったわ。
どんなに絶望的な状態でも…未来を感じることが出来たら、人は前に進むことが出きるんだって。
ノストラダムスも加わって、『さあ、次はお前の番だ!!』とか、言われたわよ〜(T-T)しらないわよ。」
作者はため息を深くついた。
「夢枕に…たったのですかね?」
「そんなわけ無いじゃない。ノストラダムスが日本語話さないわよっ。
五島先生なんて、私と接点無いし。
なろうの人気作家のコメント欄より、ファンレターやら何やらを貰った、ミリオンセラーの作家なんだから五島先生はっ。
いちいち読者の夢枕に立っていたら、家に帰れなくなるわよ。サンタクロースじゃあるまいし。」
と、作者はクスクス笑いだした。
「サンタクロースね。」
私も愉快な気持ちになる。
「多分、あれが私の…ノストラダムス関係の疑問の答えなのかもしれないわ。
しかし…はじめて夢に見たわよ。五島先生。
あんまり自覚はないけど…やっぱり、一次選考に受かるって、凄いことなのね。」
作者は楽しそうに笑った。
「そうですね。」
私も嬉しくなる。
「でも…面倒くさいなぁ…。これ、落選した人もいるなかで、私にとっても、二次選考に挑戦できる最後のチャンスかも知れないんだもん。
なんか、頑張っている雰囲気を醸してみないと。
私、グランド・フィナーレの一作は、学園ものを書くつもりなのよ。
なろうの生活をモデルに文芸部の作品を!
二次選考に挑戦する経験が出来たのは、絶対に有利だし、一次選考に受からなきゃ、二次選考を目指せないから、ここは、色々考えたいわ。」
作者は真顔になる。
「では…まずは、『パラサイト』完結させましょう。」
私も緊張しながらそう言った。
「そうね…(T-T)壮大な話を考える前に、地味に改編終わらせないとね。」
急に項垂れながら作者はため息をつく。
心地よい海風に、秋の気配を感じて、意味もなく、少し切なくなった。




