作者、パラサイトを振り替える55
昭和風味の上品なバーの店内に軽快なピアノ曲が流れています。
マスターが作者のリクエストに答えて『ダービーフィズ』を作ります。
ダービーフィズは、ウイスキーベースのカクテルで、オレンジキュラソー等、柑橘系の風味を加えたカクテルです。
が、飲め無い作者のリクエストで、柑橘はポンジュースに変更…って、こうなると、違うカクテルになりそうですが、まあ、ご愛敬。
「有馬記念ですからね、ジャパンウイスキーにいたしましょう。
2000年代に北海道で同じ名前の馬が活躍したようですから、
今回は、ニッカウイスキーにいたしましょう。」
穏やかにマスターは作者に話始めた。
「そうね、私、あんまり飲んだ記憶が無いんだよね(ーー;)
なんか、敷居が高いイメージがあったけど、
今回、色々調べて、サントリーホールとか、サントリーが安価で、気楽に買える品物を先に開発して宣伝していたから、と、言うのもあるのかもしれないわね。
テレビのCMでも馴染んでいたし。」
作者は少し、気ののらない感じで話す。
「まあ、そうかしこまらなくても、
ニッカにも、手頃なウイスキーはありますし、
創業者の竹鶴政孝さんは、スコットランドにウイスキーの製造をならいに行くほどの情熱家でもあります。」
「朝ドラ『マッサン』のモデルになったのよね。
スコットランドにジャパンウイスキーと言われちゃ、今夜は『ブラック ニッカ』一拓だわね(-_-;)
私には、少し強い感じがするから、より少なめで、」
作者の要望を優しく受けながら、マスターはクラッシュアイスの沢山入った大きめのグラスに、少なめのウイスキーの薫りがかききえないように、天然水で上手く調整した、随分と風変わりなダービーフィズを差し出した。
「ありがとう。」
作者は、薄いオレンジの液体の踊る、そのグラスを嬉しそうに受けとると静かに口にする。
そして、しばらく無言でカクテルを味わうと、グラスに語るように話始める。
「有馬記念、もう、有馬記念だよ(>_<。)
競馬ファンだって、賭け納めだって言うのに、私と来たら…。
でも、たまに読みに来る人がいるみたいなんだ。
『パラサイト』
私、そのアクセスを見ると、読者の方が作品を大切にしてくれている気がするわ。」
作者は酔いで頬を染める。
「今年、何回か、『パラサイト』を投げ売りしようとしていましたからね。」
私は、小銭になりそうなサイトを見るたびに真剣に悩んでいた作者を思い出して呆れてしまう。
放置されているように見えるでしょうが、
これを書くために、漢方やら、遺伝子やら、色んな本を読んだり調べたり、時間をかけてきているのです。
この一年、この設定文だけでも、とんでもない文字数と時間をかけ、
それなのに、500円とかでも飛び付こうと考えるのですから、呆れてしまいます。
「仕方ないでしょ?お金ほしいもん(T-T)
なんか、普通じゃ稼げない、奇跡みたいな金を…
みんなが、本気で名古屋に行けるって、信じられるようなお金が…小銭でもほしかったんだもん。
でも、アクセスがたまにある度に、思い直したわ。
一年、放置状態のこの話の続きを待っている人がいるみたいなんだもん。
さあ、始めましょう。
終わりをつけるために。」
作者は、ダービーフィズを飲み干して私を見た。
その真剣な瞳に私も笑顔で答える。
さあ、再出走です。




